Netflixで話題のドラマ『Missナイト&Missデイ』は、地方都市に赴任してきた冷徹で厳格なエリート検事ケ・ジウン(チェ・ジニョク)が人間らしさを回復してゆくシーンが見どころのひとつだ。2人のヒロイン、イ・ミジン(チョン・ウンジ/Apink)とイム・スン(イ・ジョンウン)らが、それを手助けする役割を担っている。

 第6話ではチキンHOF(庶民的なビアホール)でのおとり捜査に引っかかった女子もそれに一役買っていた。今回はそのシーンに登場したチキンとビールという定番の組み合わせ以外にもまだまだある、韓国人が好む「この酒にはこの食べ物」を紹介しよう。(記事全2回のうち後編)

■大ヒット作『涙の女王』でヘインがヒョヌを真似て頼んだスンデクッパソジュ

 大ヒットドラマ『涙の女王』第8話。ヒョヌ(キム・スヒョン)が通っている食堂に一人で入ったヘイン(キム・ジウォン)が、柱を挟んでたまたま背中合わせに座っていたヒョヌに見つからぬよう、店員に小声で言うシーンがあった。

「スンデクッパ ハナ、ソジュ ハンビョン(腸詰のクッパひとつ、ソジュ1本)」

 スンデクッパとはスンデ(豚の血、もち米、春雨などが入った腸詰)やコプチャン(豚の内臓)を入れたスープとごはんのこと。

 スンデ自体、韓国人でも苦手な人がけっこういるので、慣れない日本の人にはハードルが高そうだ。しかし、レバーの湿度を高めたような独特の風味と、物によってはねっとりとした食感にはやはり冷えたソジュが合う。

スンデとソジュ。このスンデは以北(北朝鮮)伝来の本格的なもの

■つぶ貝とビールの組み合わせは夏におすすめ!

 記事の前編で紹介した干し鱈とビールは、日本の人にもすぐ受け入れてもらえるはずだが、同じ乙支路3街の名物、コルベンイムチム(つぶ貝の和え物)とビールには違和感があるかもしれない。

 コルベンイムチムとは缶入りの茹でつぶ貝の身に、割いた干し鱈、たっぷりのすりおろしニンニク、ネギの千切り、唐辛子粉やチョコチュジャンなどを加えて、加熱せず冷たいままサッと混ぜたもの。

 日本の人は貝や鱈などの海鮮なら日本酒を連想するので、ビールと聞いて「!?」となる人が少なくなかったが、こればかりは「一度試してください」としか言いようがない。ニンニクや唐芥子粉が入っているとはいえ、チョコチュジャの酢やネギの清涼感があるので、口中がすっきりし、夏向きである。

鐘路3街のシュポで食べたコルベンイムチムとビール