それからは本来の古道探しがはじまった。整備された古道を歩けば簡単なのだが、やはり昔からの道を歩きたい。そのためには、脇にそれていく小径に注意を払い、「これだろうか」と首を傾げつつわけ入っていくことになる。
昔の道は、そこを歩く人をそれほど想定していないから、水が流れる沢に橋が架かっているわけではない。幸い流れは小さく、石を伝えば渡ることができた。そんな道をずんずんくだる。すると、整備された古道に出る。そこには決まって案内板があった。
鳥嶺古道歩きは昔の古道探し旅だった。
第二関門まで1時間半ほどかかった。
ここまでくだると、急に人が増えた。見ると半分以上の人がはだしだった。中年の女性たちがとくに多い。
第二関門からはもう山道の古道は見つからなかった。整備された古道をくだっていくと、第一関門の手前に足洗い場があった。そこに案内板があり、足つぼの図が掲げられていた。そういうことだった。古道をはだしで歩くことは健康のためだった。足つぼを刺激してくれる道なのだ。
鳥嶺古道はいま、そんな健康志向の人たちも道でもあった。
第一関門の手前には、韓国の歴史ドラマのオープンセット場もあった。第一関門や第二関門はセット場の外になるが、ここも撮影に使われることがあるという。