Netflix配信中の人気作『Missナイト＆Missデイ』はファンタジーロマンスだが、地方都市に暮らす人々の描写がリアルで、微笑ましいシーンも多い。

　チャーミングな20代ヒロイン、イ・ミジン（チョン・ウンジ／Apink）は、日の出から日の入りまで50代女性イム・スン（イ・ジョンウン）に姿が変わってしまう。そのため、トラブルに巻き込まれたり、意中の人に思いを伝えられなかったりする。

　逆に言えば、ミジンは視聴者の母性や父性を大いに刺激する存在で、だれもが彼女を応援したくなってしまう。（以下、一部ネタバレを含みます）

■『Missナイト＆Missデイ』11話に登場したスープ、トガニタンってどんな食べ物？

　そんなミジンだが、11話ではもどかしさの解消に大きく前進した。

　その要因のひとつが、心に闇を抱えているエリート検事ケ・ジウン（チェ・ジニョク）の心をほどき、心の声を吐き出させることに貢献した「保養食（ポヤンシク）」だ。韓国の保養食とは、体によい、滋養強壮のための食べ物のこと。

　今回は昼間のミジン、つまりイム・スンが買おうとしたお粥とともに活躍したもうひとつの保養食、トガニタンというスープ料理にフォーカスしてみよう。

　ケ・ジウン検事のもとにミジンが届けたトガニタンは、じつはミジンの手料理ではない。男まさりだが、じつは家庭的で料理上手なミジンオンマ（チョン・ヨンジュ）が作ったものだ。材料も希少で時間も手間もかかるトガニタンを家で煮込むとは、このオンマ、ただものではない。

　昼間、イム・スンになっているミジンは事情によりお粥を買うことができなかったので、オンマがタイミングよくトガニタンを煮込んでいるのを見て、つい手が出たのだ。

　そう言えば、大ヒットドラマ『ドクタースランプ』7話でも、ハヌル（パク・シネ）がジョンウ（パク・ヒョンシク）のためにオンマ（チャン・ヘジン）手作りのミッパンチャン（常備菜）をこっそり持ち出すシーンがあった。

　トガニタンと聞いてもピン来ないかもしれないが、日本の人たちが大好きなソルロンタン（牛骨や牛モツを煮込んだ白濁スープ）の店に行けば食べられる可能性が高い。

　トガニとは牛の膝蓋骨（しつがいこつ）やその周辺の軟骨や肉のこと。トガニタンは牛の膝蓋骨辺りを長時間煮込んだ白濁スープだ。

　ソルロンタンも最近は10,000ウォン以上するが、トガニタンは希少部位を使うのでソルロンタンより2,000～3,000ウォン高い。日本の人、とくに女性が目の色を変えるコラーゲンが豊富なので、スキンケアや関節痛の解消に関心のある人は試してみるとよいだろう。

牛骨や牛モツを煮込んだスープ、ソルロンタン

　ちなみに、イム・スンの上司に当たるチュ・ビョンドク捜査官（ユン・ビョンヒ）は口数が多くて少々うっとうしい存在だったが、この第11話の序盤、ミジンがジウンの自宅にトガニタンを届けるとき、玄関先でファインプレーを見せてくれた。

　結果、二つの保養食（お粥とトガニタン）は無事ジウン検事の胃におさまったのだ。ビョンドクの好感度、急上昇である。