『ドクタースランプ』のジョンウは、仕事上のトラブルで経済的に追い込まれ、やむなくオクタッパンに住んだが、『家いっぱいの愛』のテピョンの場合は、4話で突然オクタッパンに現れた父との会話からもわかるように、住居の選択に父親からの自立という強い意志が感じられる。

 建物もジョンウのオクタッパンはハヌルの家と統一感があり、みすぼらしさはそれほど感じられないが、テピョンのそれはかなり粗末で、少々もの悲しい。まあ、どちらがオクタッパンらしいかと言えば、明らかにテピョンのほうだ。

 また、テピョンはテコンドーのインストラクターで、通勤にも自転車を使うような健康志向の若者でありながら、じつは喫煙者である。このあたりからも彼のストレスや心の闇を感じてしまう。今後、テピョンの心が晴れ渡る日は来るのだろうか。物語の展開から目が離せない。

忠武路駅前の映画館「大韓劇場」のテラスからの風景。よく見るとあちこちにオクタッパンが

●配信情報

Netflixシリーズ『家いっぱいの愛』独占配信中

[2024/全12話予定]演出:キム・ダイェ『じれったいロマンス』 脚本:キム・ヨンユン

出演:チ・ジニ『サバイバー:60日間の大統領』『アンダーカバー ~君を守りぬく~』、キム・ジス『リセット〜運命をさかのぼる1年〜』『ハイクラス〜偽りの楽園〜』、ソン・ナウン『ゴースト・ドクター』『ポジション〜広告代理店の女王〜』、ミンホ(SHINee)『ザ・ファビュラス』『花郎〈ファラン〉』、ユンサナ(ASTRO)『クレイジーラブ』