今年前半の大ヒット作『ドクタースランプ』『涙の女王』などに続いて、Netflix新作『家いっぱいの愛』(全12話)がNetflix視聴時間世界ランキング(非英語作品)で1位を記録するなど、世界的に人気を集めている。
物語はシングルマザーのクム・エヨン(キム・ジス)とその長女ピョン・ミレ(ソン・ナウン)、長男ピョン・ヒョンジェ(ユンサナ/ASTRO)の三人が住むビラ(低層マンション)に、11年間音沙汰のなかった父ピョン・ムジン(チ・ジニ)が戻ってきたところから始まる。経済的な問題で家族を苦しめてきたムジンだが、どういうわけかビラの新しい大家になっていたのだ。(以下、一部ネタバレを含みます)
■Netflixヒット作『家いっぱいの愛』SHINeeミンホ扮するテピョンと、『ドクタースランプ』パク・ヒョンシク扮する主人公との共通点とは?
本作の見どころのひとつは、空白の11年間が明らかになっていないムジンが再び家族として受け入れられるのかどうか? そしてもうひとつは、ミレとナム・テピョン(ミンホ/SHINee)のロマンスの行方だ。
今回は4話から6話に出てきたテピョンに関するいくつかの事象にフォーカスしてみよう。
ナム・テピョンはJプラスのナム・チヨル社長(チョン・ウンイン)の息子なので、当初、後継者である息子に対する英才教育の一環として警備員をやっている(やらされている)と思っていた。何の憂いもないお坊ちゃんにしか見えなかったのだ。ところが、じつは父とのあいだに大きな確執があることが明らかになってきた。
それを象徴するもののひとつが、テピョンが住む「オクタッパン」だ。
オクタッパンとは、記憶に新しいところだと、『ドクタースランプ』のジョンウ(パク・ヒョンシク)が住んでいたハヌル(パク・シネ)の家の「屋上部屋」のことである。「屋根部屋」と日本語訳されることも多い。
オクタッパンは漢字で書くと「屋塔房」。エレベーターの付いていない雑居ビルなどの屋上にある簡素な住宅である。建物の最上階のさらに上にあるので、階段の上り下りが大変。冬は寒く、夏は暑い。水の出が悪い。
しかし、家賃は安く、住居以外の屋上スペースを庭のように使えたり、日当たりがよくて開放的で洗濯物も干せたりするなど、メリットもなくはない。