Netflix配信の最新ドラマ『となりのMr.パーフェクト』第1話の序盤に、気になるシーンがあった。

 アメリカから韓国に帰ってきたペ・ソンニュ(チョン・ソミン)が、仁川空港に車で迎えに来てくれた友人チョン・モウム(キム・ジウン)の助手席で車窓風景を眺めている。ソンニュの視野に入るのは、「ソルロンタン」「プデチゲ」「チョゲクイ」「ポッサム」「カムジャタン」「ヤンニョムトンタク」など、韓国の食べ物ばかりだ。

 今回はソンニュのような外国帰りの韓国人が恋しがる、ある食べ物にフォーカスしてみよう。

■Netflix『となりのMr.パーフェクト』で帰国したばかりのヒロインが親友と一緒に食べたものは?

 多くの飲食店の看板に目移りしたが、結局ソンニュとモウムが選んだのはトッポッキだった。

 日本のコリアンタウンでもよく見かけるし、最近は日本のスーパーでもインスタント食品が売っているので認知度は高いと思うが、どんな食べ物なのか一応説明しておこう。

 一般的なトッポッキとは、棒状のカレトック(うるち米の餅)を野菜や油揚げのようなものといっしょにコチュジャン、唐辛子粉、砂糖などを混ぜたソースで甘辛く炒めたものだ。オデン(オムク=魚のすり身の練り物)と並んで屋台やプンシクチプ(粉もの中心の軽食店)で買える間食の代表である。

 ソウルの新堂洞(シンダンドン)には、トッポッキの鍋料理の専門店街があり、野菜、茹で卵、揚げギョウザなどと一緒に煮た鍋をグループでつつく姿が見られる。

 トッポッキは間食、おやつなのだが、赤に近いオレンジ色の見た目どおり、なかなかの辛さだ。老若男女誰もが食べるが、とくに若い女子に人気がある。

 筆者は日本の人がソウルで初めてトッポッキを食べる場面に何度か立ち合っている。最初はその辛さにヒーヒー言っても、また食べたくなる。中毒性があると言ってもいい。

韓国の地方都市の粉もの店で食べたトッポッキ