IUパク・ボゴムがW主演しているNetflix配信作『おつかれさま』は、ひさしぶりに「人間ドラマ」を堪能できる作品だ。IUが演じる強い気性のオ・エスンと、パク・ボゴムが扮する純情なヤン・グァンシク……ドラマの序盤を通して2人が成長していく過程を息詰まるように見守っている。(以下、一部ネタバレを含みます)

■Netflix『おつかれさま』序盤の見どころは?パク・ボゴム扮する一途で芯の強いグァンシク

 ドラマや映画を通して、グァンシクのように一途な男を見たことがなかった。

 グァンシクは10歳の時からずっとエスンのそばにした。彼女の母親は済州島(チェジュド)の海女。海辺でエスンが母親に寄り添っているとき、用もないのにグァンシクも密着した。彼の実家は魚屋だ。本来は売り物であるはずの魚をエスンに渡すことがグァンシクの生き甲斐だった。

 エスンの生い立ちは本当に厳しかった。早く父親を亡くし、母親も肺を患って命を落とした。母親の再婚相手の世話にならざるを得なかったが、彼女には文学で生きていきたいという夢があった。いそぎんちゃく状態のグァンシクに対しても、「絶対にソウルの男と結婚するから」といつも宣言していた。そこまで無視されながらもグァンシクはエスンのそばを離れなかった。

 高校生のときは家出をしたエスンに付き合って釜山(プサン)にまで出かけた。その宿屋で盗難に遭うという辛い出来事もあったが、グァンシクはエスンのために一生懸命尽くした。

 結局、2人は済州島に連れ戻されたが、グァンシクは停学で済んだのに、エスンは退学を強制された。女性が不当に差別を受ける時代だった。

 エスンは口では言わないが、グァンシクのことを愛していた。しかし、お互いにこのままでは結ばれないことがわかっていた。どんなに愛していても別れざるを得ないこともあるのだ。

Netflixシリーズ『おつかれさま』独占配信中