第1話から心をグッと捕まれ、時間を忘れて物語の世界へ没入してしまう。そんなインパクトのあるロマンティックヒューマンドラマ『おつかれさま』がNetflixで配信中だ。

 主演は、『青春の記録』以来5年ぶり、除隊後復帰作出演となる国民的俳優パク・ボゴム。共演は、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』や『ホテルデルーナ~月明かりの恋人~』で抜群の演技力を披露した国民的歌姫のIU韓国最大の島、済州島(チェジュド)で生まれ育った幼馴染みの主人公2人の波乱万丈な人生を、1950年代から2020年代までの長きに亘り描いた作品だ。(以下、ネタバレを含みます)

■Netflix『おつかれさま』見どころは?パク・ボゴム&IU主演のロマンチックヒューマンドラマ

●『おつかれさま』ストーリー

 済州島の海女の娘として生まれ育ったオ・エスン(IU)は、貧しいながらも詩人を志す勝気な少女だ。一方、魚屋の1人息子で幼馴染みのヤン・グァンシク(パク・ボゴム)は、子供の頃からエスンに一途に想いを寄せ、常にエスンを守り支え続けてきた。

 母を病気で亡くしたエスンに、バツイチの金持ち(チェ・デフン/『魅惑の人』)との結婚話が持ち上がる。そのことを知ったグァンシクは、島を出ていこうとする。しかし、遠ざかる船を見つめ、泣き崩れるエスンの姿を見たグァンシクは、海に飛び込む。

 紆余曲折を経て18歳で結婚したエスンとグァンシク夫婦には、さらなる数多くの困難が待ち受けていた……。

●『おつかれさま』見どころ

 IUとパク・ボゴム演じる主人公の2人もさることながら、脇を固める登場人物たちが大変個性的である。

 序盤に強烈なインパクトを残したのが、ヨム・ヘラン(『ザ・グローリー~輝かしき復讐』)が演じるエスンの母、チョン・グァンネだ。若くして夫を亡くすと、エスンを「飯炊き女」にはさせまいと、エスンに教養を身に着けさせるために、生活レベルの高い元夫の実家にエスンを託す。

 男尊女卑が根強かった時代。小学生のエスンは、級長選挙でトップの投票数だったにも拘わらず、金持ちの男子生徒に級長の座を奪われ、まったく納得できない。そんな理不尽を許すことができず、グァンネは学校に乗り込み、苦しい生活のなかから捻出した袖の下を担任に渡す。

 身を粉にしてアワビ獲りのために海に潜り、29歳の若さでこの世を去ってしまうというグァンネの人生は、なんとも哀れだ。

 そんなグァンネの再婚相手(エスンの継父)を演じるのがオ・ジョンセだ。『椿の花咲く頃』に続き、ヨム・ヘランとの夫婦役で、仕事をせずふらふらしてばかりのダメ男という点も、『椿の花咲く頃』と重なる。

 祈祷師で、「エスンに母親の霊が憑いている」と、エスンに小豆をぶつけるグァンシクの祖母(キム・ヨンリム/『勇敢無双ヨン・スジョン』)も強烈な印象のキャラクターだ。

 中年になったエスンを演じるムン・ソリとグァンシク役のパク・ヘジュンの仲睦まじさが微笑ましい。

 個性的な登場人物に加え、菜の花畑や火山島らしいごつごつとした岩肌の海岸線など、手つかずの大自然もこのドラマの魅力のひとつである。

 演出は『ミセン-未生-』『シグナル』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』『成均館スキャンダル』のキム・ウォンソク、脚本は『椿の花咲く頃』『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』のイム・サンチュンが務めている。

『おつかれさま』にも登場する済州島の城山日出峰と済州本島を結ぶクァンチギ海岸には、春になると菜の花が咲き誇る

 ●配信情報

Netflixシリーズ『おつかれさま』独占配信中

[2025年/全16話]演出:キム・ウォンソク『ミセン ー未生 ー』『シグナル』『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』 脚本:イム・サンチュン『サム、マイウェイ〜恋は一発逆転!〜』『椿の花咲く頃』

出演:IU『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』『ホテルデルーナ〜月明かりの恋人〜』、パク・ボゴム『雲が描いた月明り』『青春の記録』、ムン・ソリ『私たちの人生レース』、パク・ヘジュン『夫婦の世界』、オ・ジョンセ『サイコだけど大丈夫』、ヨム・ヘラン『マスクガール』、ナ・ムニ怪しい彼女』、イ・ジュニョン恋するムービー