■海女の仕事は収入もいいが、重労働

 済州は農業で稼ぐのは困難な土地だが、海に囲まれているので海産物は豊かだ。

 エスンの夫グァンシク(パク・ボゴム)のように男は漁に出てアマダイ、タチウオ、サバなどを獲ってくる。アワビ、サザエ、タコなど、高く売れるが一網打尽にするのが難しいものは、海女の女性が海に潜って獲ってくる。

 済州本島の周辺には多くの小島がある。観光地化が進んだ牛島(ウド)もそのひとつ。済州の東端にある城山浦(ソンサンポ)港から船で20分くらいの島だ。

 海女の若い頃をチョン・ドヨンが、引退後の海女を済州出身のコ・ドゥシムが演じた映画『初恋のアルバム ~人魚姫のいた島~』が撮影されたこの島を15年前に訪れたことがある。島のマウルバスの運転手さんの話によれば、当時、この島に住む成人女性のほとんどが海女だったそうだ。

『おつかれさま』のグァンネのように済州の海辺に育った女性は、物心ついたときには自然と海女になっていた母親から潜水漁を教わることが多かった。かつては、「海女になる娘が三人いれば、毎年畑が買えて不自由しない」と言われたほど、海女たちは稼いだのだ。

 しかし、働き詰めのグァンネが29歳でこの世を去ってしまったように、身体に過度な水圧がかかる潜水は大変な重労働だ。陸地の人には海女の姿は「土俗の美」に映るのかもしれないが、命がけの仕事だったのだ。

済州の女性は水陸で活躍。海女の仕事がない日は畑仕事に。写真は山房山近くのゴマ畑、右は筆者

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