『隣の国のグルメイト』日本編の4話では、ソンが焼き鳥を食べながら黒龍の大吟醸をじっくり味わう姿に、松重が思わず、「こういう店に来て、こういう酒を前にすると、なんで酒やめたのかなあって思うね」と言ってしまい、ソンがニヤッとするシーンがあった。そしてその直後、松重に「黒龍、なめてもいい?」と言わせることに成功している。「飲みましょう」とはひとことも言わず、誘いながら待ち、待ちながら誘うソンの勝利である。

 7話のテジカルビの店でも、焼いたテジコプテギ(豚皮)を肴にソジュを飲み、「ああ」と幸せそうな声をもらすことで、松重に自らグラスを取らせ、ソンがソジュを少し注いでいる。表情にこそ出さないが内心「してやったり」のはずだ。松重は完全にソンの術中にハマっている。

 うれしいことに、『隣の国のグルメイト』はまだ20話以上残っている。ソンが松重を韓国の酒沼に引きずり込むのか、それとも、松重がなめるだけで逃げ切るのか、見ものである。

●配信情報

Netflix『隣の国のグルメイト』独占配信中(毎週木曜日配信)

出演:松重豊、ソン・シギョン