アシアナ航空大韓航空への統合がはじまった。今年の11月以降、福岡ソウルを結ぶアシアナ航空の予約を受け付けないことが発表された。大韓航空との重複路線は、順次調整されていくようだ。

 アシアナ航空といえば、『イカゲーム』のイ・ジョンジェと『冬のソナタ』のチェ・ジウが主演した韓国ドラマエア・シティ』(2007年)を思い出す。仁川国際空港を舞台にしたドラマで日本でも放送された。このドラマのスポンサーがアシアナ航空。劇中ではアシアウィンズという名前になっていた。

韓国FSC、アシアナ航空が大韓航空へ統合される

 アシアナ航空が大韓航空へ買収される形での統合は、少しずつ、着実に進んでいた。これまでは企業間の調整が多かったが、ここにきて、利用者への影響が出はじめたということになる。アシアナ航空の大韓航空への統合は2027年には完全に終わるスケジュールで進んでいるという。これからもいろいろな変更が出てくるのだろう。

 僕はユナイテッド航空のマイレージプログラムにマイルを貯めている関係で、スターアライアンスに加盟する航空会社に乗ることが多い。アシアナ航空はスターアライアンスのメンバーである。これまでもだいぶお世話になってきた。

 世界の航空会社は、いくつかの連合、つまりアライアンスに加盟していることが多い。スターアライアンス、ワンワールド、スカイチームが3大アライアンスといわれる。韓国の場合、大韓航空がスカイチーム、アシアナ航空がスターアライアンスだった。

 僕は自分の意思でスターアライアンスのマイルに走ったわけではなかった。かつて東京とバンコクの間をユナイテッド航空が飛んでいた。運賃が比較的安かったからよく乗っていた。そのときにマーレージプログラムがはじまった。いつも航空券を買っていた旅行会社の親切心でユナイテッド航空のマイルを貯めるようになった。その後、ユナイテッド航空を軸にスターアライアンスがつくられていった。

 3大アライアンスには色分けがあるのかは難しいところだが、アジアの場合、スターアライアンスの加盟するのは、各国の第2航空会社が多かった。

 日本は全日空、台湾はエバー航空、そして韓国はアシアナ航空。それぞれ国営航空としてスタートした日本航空、チャイナエアライン、大韓航空があり、民営化や自由化のなかで、第2航空会社が誕生し、競合関係がつくられていった。

 アシアナ航空への好き嫌いは人それぞれだろうが、客観的な評価に頼れば、かなり高い位置にいたように思う。気位の高さのようなものはなかったし、客室乗務員の表情も優しかった。サービス面でもとりたて不満があったわけではない。

 その後、一気にシェアを増やすLCCの分野にも積極的だった。エアソウルエアプサンというというLCC子会社をもっていた。以前、このコラムでも紹介したが、エアソウルは韓国のLCCのなかではいい位置を占めていた気がする。大韓航空系のLCCであるジンエアーが、どちらかというと運賃の安さを前面に出していたが、エアソウルは最安値ではないものの、都合のいい時間帯に就航していた。スケジュールを考えていくと、エアソウルに辿り着くことが多かった。飛行機の運航というものをよくわかっている気がした。

羽田国際空港。アシアナ航空はAカウンターを使うことが多かった