韓国の人気バラード歌手ソン・シギョンと『孤独のグルメ』の松重豊が出演するNetflixグルメバラエティ隣の国のグルメイト』シーズン2「究極の味対決」第5話では、松重豊がソン・シギョンのチャジャンミョンジャージャー麺)への返礼として、大阪・堺のお好み焼きと焼きそばの店に案内した。

■ “匠” を感じさせる大阪・堺のお好み焼き屋さんの仕事ぶりに感嘆!

 韓国人である筆者が日本で食べ歩きをしていていつも思うのは、たとえ大衆的な店でも、その料理をつくって提供することに誇りをもっていたり、“匠” を感じさせたりする人が珍しくないことだ。

 韓国では1990年代後半のIMF経済危機以来、地味だが手堅い飲食業が見直されるようになり、この十数年のモッパン(食レポ、グルメ番組)ブームで料理をする人を見る目が変わった。Netflix配信『白と黒のスプーン~料理階級戦争~』が今年の百想芸術大賞で大賞を受賞したのも、時代の変化を象徴するできごとだろう。

 とはいえ、日本と比べるとまだまだである。学校の勉強が苦手な者に対し、「中華屋の出前でもやるか?」のように言ってみたり、「給料も上がらないからチキン屋でも始めるか?」と言ってみたりする人が、いまだ少なくないのがその証拠である。

『隣の国のグルメイト』で鉄板と向き合う堺のお好み焼き屋さんのご主人に対し、松重豊とソン・シギョンが尊敬心を積極的に表明していたのは本当にすばらしいことで、我が国でも見習うべきだと思う。スペック競争(学歴、容姿など出世に必要な条件を得ようと争うこと)に汲々としている韓国を変えるには職業貴賤の見直しが不可欠だ。

韓国でも料理人の腕を称えるイベントが増えた。『白と黒のスプーン~料理階級戦争~』が百想芸術大賞を受賞したのも時代の変化を象徴するできごと