ソウルの江南駅前。そこに日本人に人気の薬局があった。店員はなかなかうまい日本語で対応していた。
韓国の薬局は、日本に多い調剤薬局とは世界が違う。最近のソウルでは美容施術を受ける日本人が少なくない。術後の肌の回復などを早める再生クリームがソウルの薬局には並んでいた。美容施術と薬局で売るクリームがリンクしている。日本語での説明は心強いはずだ。その薬局は日本人ご用達の感すらあった。
■24時間営業で便利!ソウル江南にある薬局
しかし江南在住の日本人に訊くと、この薬局はあまり利用しないという。教えてくれたのは、そこから歩いてすぐの大通り沿いにある薬局だった。店頭のガラスには、「24HOURS」、「365DAYS」という紙が貼られていた。
「そうなんです。ここは24時間営業で便利なんです。風邪を引いて夜に熱が出たときなんかは助かります」
江南在住の日本人は教えてくれた。
24時間営業の薬局──。韓国もそういう世界なのかと思った。以前、パリを訪ねたとき、夜になって歯が痛くなり、薬局を教えてもらったことがあった。24時間営業の薬局だった。市民は店名も知らなかった。この界隈でタクシーに乗り、「薬局」と伝えれば連れていってくれるという。ある意味では有名店だった。パリにはそんな薬局がエリアごとにあるのだという。行政の指導なのかもしれなかった。
日本では24時間営業の薬局は稀だ。夜に体調が悪くなったときは病院の救急外来という発想だ。
「治療費の問題が大きいと思うけど、パリではまず薬局って考える人が多いはず」
そんな説明を受けた。韓国もパリに似ているのかと思った。しかし調べると、ソウルでは24時間営業の薬局は珍しいようだった。日本と状況は似ていた。やはり江南という土地柄が生んだ薬局だろうか。
店内に入ってみた。薬の多くに日本語の説明がついていた。再生クリームの品数も多い。美容施術後に塗るクリームはここでも人気の商品のようだった。日本人が多い店と値段の違いはなかった。日本語も聞こえてきた。日本語ができるスタッフもいるようだった。
