仁川国際空港で仮眠……何回も経験している。この空港はそんな旅行者に優しい空港で、第1ターミナルは、到着階の両側に、「どうぞ仮眠してください」といっているようなベンチがある。そこには電源のあるから、スマホの充電をしながら仮眠することもできる。ベンチはそれほど長くないので、足を若干、折り曲げる形になるが、僕はその体勢でも十分に寝ることができる。

 韓国の女性はこういう場で寝ることをあまり気にしないようで、パジャマに着替えてぐっすり寝入る人もいる。近くにトイレがいくつもあるので着替えも可能なのだ。コンビニも多いから水も買える。

 そんなスペースとスパの仮眠室はどう違うのだろうか。

 仮眠室は中央が男女共有、左右に女性専用スペースがあった。女性専用スペースで寝る人は少なく、女性も男女共有スペースで寝ている。マットはぎっしりと敷かれているので、利用客が多くなると、女性専用スペースを使うのかもしれない。

 マットの上で腰をのばした。サウナウエアー1枚だが、室内は適温に保たれていて心地いい。枕は四角柱形。日本のフェリーの雑魚寝スペースにあるものとよく似ている。

 目覚ましをセットした。仮眠スペースは静かだった。いびきが気になるという人もいるようだが、僕はそういうタイプでもない。……ことっと寝てしまった。

 2時間ほど眠った。着替えてターミナルの到着フロアーにあがった。そこにはベンチで寝ている人が多い。

「こっちならタダなんだよな」

 とひとりごちる。スパのほうがよく眠れたか……。よくわからない。しかし僕のような旅行者には、到着階の仮眠スペースで十分のような気もする。