韓国ドラマには、単なるエンタメを超えるインパクトがある。それは、見る人の生き方そのものを変えるだけの情熱と物語を持っていることだ。ここでは、該当するドラマとして3作を取り上げる。「見た人の生き方を確実に変える」ドラマの見どころ、注目ワンポイントを紹介しよう。(以下、一部ネタバレを含みます)

■見た人の生き方を確実に変える韓国ドラマ究極3選!

●『おつかれさま』(2025年)

 長い準備期間と撮影を経て制作された超大作『おつかれさま』。強い感性を持ったオ・エスン(IU)と純情なヤン・グァンシク(パク・ボゴム)の愛情物語が抒情的に描かれていた。

 グァンシクは無垢で一途な男。子供の頃からエスンのそばを離れなかった。エスンの母親は済州島(チェジュド)の海女。早く亡くなってしまったが、その血をエスンも受け継ぎ、彼女は情熱的に済州島で生きていく。支えたのがグァンシクであり、2人は幾多の悲劇を乗り越えて骨太に海辺で生きていく。

 ドラマの中盤からは、中年になったエスン(ムン・ソリ)とグァンシク(パク・ヘジュン)、そして家族たちのそれぞれの人生が描写される。特に、娘のクムミョン(IUの1人2役)は婚約破棄という辛さに耐えて新しい愛を見つけていく。その過程がとても良かった。

・配信情報/Netflixシリーズ『おつかれさま』独占配信中

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●『涙の女王』(2024年)

 主役カップルのキム・スヒョンキム・ジウォン。2人の存在感が際立っていた。ドラマは、財閥令嬢のヘイン(キム・ジウォン)と結婚したヒョヌ(キム・スヒョン)が離婚を決意するところから始まる。離婚宣言をまとめて文章で告知しようとした寸前、ヒョヌはヘインから「余命わずか」と告げられる。ここから物語は思わぬ方向に急転し、2人はベルリンまで飛んで治療の可能性をさぐっていく。

 その中で、異国情緒あふれる海外ロケが珠玉の名場面をたくさん作りだしていた。結局、ヘインとヒョヌの夫婦関係と同時並行で、財閥家の経営権問題が取り上げられる。狡猾な乗っ取り屋に財閥家は翻弄されてしまい、しだいに経営権を奪われて没落していく。そのピンチをヒョヌの実家が助けていく展開は、人生の機微を大いに見せてくれた。

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