韓国の食堂でテーブルにつくと、決まってテーブルに並ぶ小皿のおかず(반찬/パンチャン)。

 韓国での食事の楽しみでもあるのだが、この小皿のお代わりの世界に入ると雲がかかってくる。多くのガイドに、小皿はお代わり自由と説明されているが、現実はそれほど甘くない。そんな世界に分け入ってしまったことを前回伝えたが、今回はその続編。

「たしかに小皿は原則、お代わり自由。でも高そうな小皿はお代わりを遠慮してしまいます。皆、そうだと思うな」

 韓国の人はそう説明してくれる。つまり小皿忖度の世界が韓国の食堂には横たわっている。その判断は旅行者には難しい。前回は完全にお代わり自由の小皿を紹介したが、今回はお代わりしにくい小皿料理の世界。

■頼んだメイン料理と一緒に出てくる小皿、地元の人がお代わりしないものは?

 韓国の食堂で出される小皿料理、ときに炒め物や焼いたものが出てくることがある。

 イワシ(たぶんカタクチイワシ)を甘めの味で炒めた小皿はお代わりOK。しかし干しエビのニンニク炒め、キノコ炒めになると、境界線上に入ってくる。

 そしてチヂミや卵焼き……。少し高めの店では、チヂミが出てくることがある。店によっては緑豆からつくったチヂミも。空腹で店に入り、これが出てくるとすごくうれしいが、これはお代わりNG。韓国の知人はそういう。

「でもコーンのバター炒めはOKです」

 このあたりが難しい。

 煮物系も境界線上。牛肉、ウズラ、豆腐、豆……。豆腐はお代わりOKゾーンに傾くが、牛肉、ウズラとなると霧がかかってくる。遠慮しておこうかな……と考えたほうが無難らしい。