和え物系も難しい。ホウレンソウ、青のり、キュウリ、切り干しダイコンのレベルだと針はお代わりOKエリアに入ってくるが……。
以前、入った店でカボチャのナムルが出たことがあった。
「珍しいッ」
と箸をつけたが、前に座る韓国人に訊くと、お代わりNG判断。
「和え物では、珍しい小皿は皆お代わりしませんね。丁寧に食べる。それが流儀」
と韓国人の知人。どうも「珍しい」はお代わりを決める判断基準のひとつのよう。
いちばん難しいのはキムチだ。白菜やカクテキは大丈夫だが……。
「私がよく行く定食屋さんでは、必ず干しダイコンのキムチ小皿が出てくる。ご飯にすごく合う。私の楽しみのひとつ。でも、誰もお代わりしません。干しダイコンのキムチは手間がかかっているし、味の調整も難しいことがわかっていますから」
その店の名物キムチ小皿はお代わりNGのよう。しかし名物キムチをどう見分ける?
「変わりキムチって考えるといいかも。あまり目にしないキムチがでてきたら、周囲を見渡したほうがいい。丁寧に食べていたら、お代わりNG領域」
しかしこの小皿世界が、コロナ禍を経て、変わってきたと韓国の人たちはいう。
次回は3年ぶりに訪ねたソウルの小皿料理事情を。
(つづく)