8月2日、ソウルにいた。朝、宿を出たところで、突然、スマホが鳴った。なにかのアラームなのか、かなりの音量。驚いてスマホを見ると、画面に「緊急速報メール:最重要」の日本語。しかしその下につづく文字が韓国語。僕には読めない。下に表示されている「OK」を押すと音は鳴りやみ、画面からも表示が消えた。

 不安が脳裡をよぎる。僕がなにか悪いことをしたのだろうか。いや、いまいる場所でなにかが起きた?

 しかし内容がわからないから、どうすることもできない。近くを歩いている人に訊こうか……。なんだかそれもはばかられる。

■緊急速報も鳴る暑さ、韓国では何を食べる?

 そこから電車でソウルの中心街に向かった。電車に乗ろうとすると、再び、スマホが鳴った。同じ日本語の文字。その下に韓国語。電車を降り、待ち合わせの場所に向かっていると、また鳴った。そのつど、OKを押すと消えるのだが、不安は募る。

 会ったのはソウル在住の日本人だった。カフェに入り、話をはじめるとまた鳴った。30分に1回ぐらいの頻度で緊急メールが届いている。その日本人に見てもらった。

「あ、これね。気温が高くなってきているから注意してください、って内容ですよ。私のスマホにも届いているけど、あまりにうるさいんで切っているんです。ソウルの人の多くはそうしてるんじゃないかな」

 ソウルが新型コロナウイルスに揺れているときの話を思い出した。感染者がみつかると、その近くにいる人のスマホに一斉にアラームが鳴ったという。感染が広まるにつれて、その頻度は多くなり、1~2分に1回といったペースになり、さすがのソウルっ子もアラーム音が出ない設定に切り替えていったという。

 僕は30分に1回程度だが、これが頻繁に鳴ると……。

 そのときの気温を見てみた。34度。たしかに気温は高い。東京と大差はない。

 夏のソウル。日本同様、気温はかなり高くなる。熱中症に罹る人も多いのだろう。行政サイドが注意を喚起しているわけだが。

これが「緊急速報メール」。できれば本文も日本語に。不安だけが募る