宿は明洞の繁華街にあった。雑居ビルのワンフロアーを使っていた。

 フロントには若い男性がいた。流暢な英語を使って、いろいろ説明してくれた。朝食はセルフサービスで、食パンにバター、ジャムが用意され、コーヒー用に自販機のような機械が置かれていた。

 部屋は狭かった。ベッドの周りはやっと歩くことができる程度で、テーブルもなかった。しかしトイレとシャワーは部屋についていた。

 僕はなんの不満もなかった。これで3000マイル。それも明洞。

 夜、ベッドの上で、このホステルをアゴダなどのホテルサイトで調べてみた。

 1万6000円──

 ユナイテッド航空のマイルを使ってホテルに泊まるのは、ソウルの場合、ものすごく得なのではないか……。

 それからホテルとマイルの世界に分け入っていくことになる。 (つづく)

ホステルの共用スペース。ここで朝食。宿泊客は欧米人が多かった