韓国はキャッシュレス社会といわれる。支払いはすべてカードなので、現金をまったく持たずに出かける韓国人も少なくないという。韓国を訪れて韓流エンタメを楽しんだり、Netflix隣の国のグルメイト』などで話題の韓国料理を食べ歩きする際の地下鉄の移動、コンビニでの支払いなどもカード払いが基本になってくる。

仁川国際空港に着いて、プリペイドカードのWOWPASSをつくるはずが……

 ソウルでWOWPASS(ワウパス)をつくろうと思った。仁川国際空港の到着階のインフォメーションで訊くと、「空港鉄道の直通列車の改札口にあります」といわれた。そこに向かったが、WOWPASSの機械がみつからない。調べると、直通列車の改札口のなかにあった。

 市内までは空港鉄道を使うことは多いが、いつも一般列車に乗っていた。直通列車に比べて安い上に便数が多いからだ。

 そのときも一般列車で向かうつもりだった。直通列車に乗らないとWOWPASSをつくることができない……なんとなく釈然としない思いだったが、まあ、どこかでつくればいいか……ぐらいに思って一般列車に乗った。改札口の機械にはT-moneyカードをかざして入った。

 ガイドブック『歩くソウル』にWOWPASSの機械の設置を調べるQRコードが掲載されていた。ソウル市街に向かう列車のなかでそれを読みとると、仁川国際空港のコンビニにも設置されていることがわかった。しかしもう遅い。次にあるのは金浦国際空港だった。

 WOWPASSは外国人韓国客専用のプリペイドカードである。このカードに韓国のウォンをチャージしておけば、さまざまなところでの支払いに使える。

 WOWPASSには交通系ICカードとしては使う人が多いT-moneyカード機能が付帯している。つまりWOWPASSをリーダーにかざせば空港鉄道、地下鉄、バスなどの公共交通機関に乗るときも切符を買う必要がなかった。

 WOWPASSが優れているのはチャージの機械だった。韓国ウォンだけでなく、さまざまな国の通貨に対応していた。日本円もOK。つまり、WOWPASSの機械に日本円の紙幣(1000円、5000円、1万円。新札も対応しているそうだ)を挿入すると、韓国ウォンに両替されてチャージされる仕組み。つまりWOWPASSの機械は両替機能を兼ね備えているわけだ。

 これまで僕はキャッシングか、明洞に多い両替店で韓国ウォンを手にし、それをT-moneyカードなどにチャージしていた。キャッシングで苦労してきた話は、このコラムでも触れている。しかしWOWPASSをもっていれば、その手間がなくなる。素直に便利に思える。

 WOWPASSの収益構造を考えてみると、両替手数料と使ったときの店舗などからの手数料収入が考えられる。調べてみると、両替時にWOWPASSの手数料はないという。そのときの両替レートでチャージされる。WOWPASSの機械に日本円を挿入しての両替はリーズナブルといっていい。

 WOWPASSの機械は今年の1月の時点で200か所を超えているという。『歩くバンコク』のQRコードを読みとった情報では、金浦国際空港にもあるという。ソウル駅に向かう空港鉄道に乗っていたが、金浦国際空港で途中下車することにした。荷物をもって市内で機械を探すより、空港のほうが簡単に機械がみつかるような気がしたのだ。

WOWPASS発券機の設置場所アプリはこんな感じで表示される。日本語バージョンもあり、わかりやすい