俳優の松重豊と韓国人歌手ソン・シギョンが日本と韓国で食べ歩きするNetflix『隣の国のグルメイト』。シーズン3「出張グルメ対決」第1話の後半は、二人が天ざるや親子丼、なべ焼きうどんを食べながらおしゃべりを楽しんだ。その会話は日韓の食文化の違いが明らかになる内容で大変興味深かった。
■親子丼のごはんをうどんのスープに入れたら美味しい?
親子丼を食べている松重豊にソン・シギョンが言う。
「(親子丼の)ライスを(なべ焼きうどん)のスープに入れちゃってもいい(美味しい)と思いますけどね」
松重豊が困ったように答える。
「日本人はねえ、これをここに入れるのはちょっと……」
ソン・シギョンが外国人なので松重豊はオブラートに包んだが、本当は日本の感覚では「お行儀がよくない」と言いたかったのかもしれない。このように、日本では完成された料理を別の料理と混ぜることに抵抗があるようだ。
複合味の妙とでも言おうか、韓国人は料理を混ぜるのが好きだ。焼肉店で冷麺と肉をいっしょに箸でつまんでひと口で食べたり、屋台でオデンとスンデとトッポッキを頼み、オデンやスンデをトッポッキのソースにつけて食べたり、チャトルパギ(ともばら肉)を〆のチゲに入れたり。
また、日本の人から見ると別々に食べてもよさそうな食材がひとつの器に盛られて出てくる料理も多い。
マンドウ(餃子)入りのカルククス(韓国式うどん)、数種の白身魚の刺身とごはんを器に盛って酢味噌を加えて混ぜて食べるムルフェ、アワビ入りのサムゲタンなど。全州発祥のビビンパはその最たるものだろう。


