Netflix配信グルメバラエティ隣の国のグルメイト』のシーズン3「出張グルメ対決」第6話は、人気歌手ソン・シギョンが俳優の松重豊を釜山のしじみ汁専門店に案内し、韓国の二日酔い解消スープに関するうんちくを披露した。

■Netflix『隣の国のグルメイト』に登場、釜山にある「しじみ汁(ジェチョプクッ)」の名店

 釜山の南浦駅7番出入口や日本の旅行者の利用が多い釜山観光ホテルのすぐ近くにあるしじみ汁(ジェチョプクッ)専門店「ソムジンガン・ヘジャンクッ」は、じつは日本の旅行者のあいだではかなり知られた店だ。2000年前後にはすでにガイドブックやネットで紹介されていたと記憶している。

 しじみ汁は、前出の店名にも冠されているソムジンガン(蟾津江=全羅北道〈現・全北特別自治道〉から全羅南道にかけて流れる大河)下流流域やその東側の慶尚南道河東(ハドン)郡辺りの名物だ。

 しじみはビタミンB2、B12、カルシウム、鉄分、カロチン、ビタミンEなどを含み、アミノ酸の一種であるオルニチンやメチオニン、タウリンが肝臓の働きを助けたり、解毒作用を促したりすることから、二日酔い解消効果が高いといわれている。

 韓国のヘジャンックッ(酔い覚まし汁)は多種多彩だが、二日酔い解消の科学的根拠が「?」のものもあるなか、しじみ汁にはかなり説得力がある。

 また、しじみに含まれるオルチニンにはストレスを抑制する働きがある。

 Netflix配信中の人気韓国ドラマ『暴君のシェフ』4話で、現代からタイムスリップしたシェフのヨン・ジヨン(ユナ少女時代)が、大王大妃(王の祖母/ソ・イスク)が懐かしむ味を再現するとともに、王(イ・チェミン)の心を慰めようと、しじみを使った料理を作ったのはそれを知っていたからだろう。

慶尚南道の河東のしじみ料理専門店のジェチョプクッ
河東のバスターミナルにはかつて、しじみ汁の屋台が出ていた(2004年撮影)
河東のしじみ料理専門店のジェチョプビビンパ