韓国の人気バラード歌手ソン・シギョンと日本の女優の三吉彩花が、互いの国の美食巡りをするグルメバラエティ『隣の国のグルメイト』。シーズン6の4話は、二人が表参道のキノコ料理専門店で多彩なキノコのフルコースを堪能した。そこは客の選択肢が多く、健康志向が貫かれていて、日本らしい細やかな配慮が行き届いた店だった。
キノコは韓国でも一派的な食材だが、日本からの旅行者にはあまり意識されないかもしれない。韓国でキノコがどう食べられているか、いくつか紹介しよう。
■韓国でキノコ料理を食べるなら山菜料理専門店へ
長野県出身の80代の日本人から聞いたことがある。昔はマツタケやシイタケは実家の裏山に入ればいくらでも獲れたが、上京したら高級食材扱いされていたので、とても驚いたという話だ。
じつは韓国もある世代まではこんな感覚の人が多い。中国の影響もあり、キノコには神がかった効能があると信じたりする人は多いのだが、山深い江原道(江原特別自治道)や慶尚北道、全羅北道ではありふれた食材と思っている人も少なくない。だから、キノコ料理専門店はあるにはあるが、『隣の国のグルメイト』に登場したような高度にキノコに特化した店は多いとは言えない。
韓国でよくあるのは行楽客を対象とした山菜料理店のキノコ料理だ。そんな店ではたいていポソッジョンゴル(キノコ鍋)が食べられる。韓国語で「ポソッ」はキノコ、「ジョンゴル」は鍋料理を意味する。
ソウル弘大エリアの駐車場通りにはかつて、ポソッメウンタン・カルククスという肉厚シイタケと平打ち麺が入った辛い鍋の人気店があった。若者が辛さにヒーヒー言いながらソジュをあおる店だった。弘大がまだ原宿化する前の話である。
■キノコは鍋ものやチヂミ、揚げ物の店でもよく見かける食材
『隣の国のグルメイト』のソン・シギョンの発言で笑ってしまったのは、焼肉に添えられるマッシュルーム(ヤンソンイ)の話だ。
笠の裏側を上にして焼くとキノコからしみ出た汁がたまるのだが、それが身体にいいという非科学的な説は確かにあった。恥ずかしいことに筆者もそれをうのみにして日本人の前でチュッとやって見せたりしたものだ。
韓国でもっともキノコが活躍する料理は、鍋ものだろう。マンドゥジョンゴル(餃子鍋)や海鮮鍋には、風味を出すためにシイタケやエノキが入っていることが多い。
また、日本人にもおなじみのチャプチェにもキクラゲやシイタケが使われている。