韓国の人気バラード歌手ソン・シギョンと日本のモデルで女優の三吉彩花が、韓国と日本で食べ歩きするNetflixグルメ番組『隣の国のグルメイト』。シーズン6の第7話では、二人が5号線の馬場(マジャン)駅と2号線の龍頭(ヨンドゥ)駅の中間辺りにある馬場畜産物市場で、鮮度のよい牛肉を楽しんだ。
■焼肉のこだわり、「噛み味」を大事にする韓国人
馬場畜産物市場の主要顧客は焼肉店だが、『隣の国のグルメイト』で二人がそうしていたように、一般人も精肉店で買った肉を持ち込んで利用料を払って焼いて食べたり、市場北門の北西方向にある馬場モクチャコルモクタウンで食べたりすることができる。
今でこそ、スープ、鍋、麺類、ごはんもの、豚肉料理、鶏肉料理、スイーツなど、日本の旅行者が韓国で食べたがるものは多様化しているが、20年くらい前までは、韓国=焼肉、それも牛肉だった。多くの旅行者が日本では月に1度食べられるかどうかの牛焼肉を韓国では安く、より美味しく食べられることを期待していた。
筆者は1990年代末ごろから、ソウルに来た日本人を焼肉店にたびたび案内してきたが、正直、当時の日本人の反応は微妙だった。まず、焼肉を表す言葉が「プルコギ」だと誤認している人が多かったので、プルコギを頼むと、「えっ! これは鍋物ですよね?」と言う人が多かった。今ではプルコギが日本のすき焼きに近いものであることがかなり知られているが、当時はそんなものだったのだ。
追加で注文したカルビやロース(トゥンシム)が出てくる。筆者が焼いたものをひと口食べる日本人。そのときの反応も微妙だった。カルビもロースも意外と歯応えがあったからだ。
韓国人は食べ物に対し、「噛み味」とでも言うべき歯応えを大事にするところがある。番組中、ソン・シギョンがサガリ(トシサル)の魅力を伝えるとき、噛み応えを強調していたのもそのせいだろう。
筆者は日本に留学していた時代、焼肉店でバイトしていたからわかるのだが、かつては日本人の多くが、「焼肉の本場、韓国なら霜降りのやわらかい肉が安く食べられる」と期待して訪韓していたのだ。
しかし、20年くらい前の韓国でも牛肉は高級食材には違いなかった。大衆的な定食こそ当時の日本円で400円も出せば、ごはんと汁物に5~6品の副菜が付いて日本人を歓喜させたが、牛肉は日本人が期待するほど安くなかったのだ。