都会的なラブストーリーなど、スタイリッシュな韓国ドラマや映画は、少し前まではソウル漢江の南側、江南エリアが舞台になることが多かった。しかし、ここ数年は漢江の北側の旧市街で撮影されるケースが増えている。
■Netflix注目作『フォーハンズ~2人のソナタ~』に登場した楽園商街、ソウル旧市街エリアに注目
ソン・ガンとイ・ジュニョンが主演するNetflix注目作『フォーハンズ~2人のソナタ~』。ピアニストを目指している主人公たちが訪れる楽器倉庫として、ソウル・鐘路3街の老朽化したビル「楽園商街(ナグォンサンガ)」(楽園楽器商街)が登場する。ここは、さまざまな楽器の専門店が数多く入る商業施設だ。
楽園商街は1968年に誕生した住宅・商業複合ビルで、積年が感じられる今の姿からは想像できないが、完成当初は今の日本の六本木ヒルズのような最先端の建築物だった。1階部分に車道が貫通する様子は当時は目新しく、売れっ子の歌手や俳優が多く住んでいたことでも知られている。
1970年代、周辺にバンドによる演奏が行われるレストランや料亭が多くできたため、楽器店が多数開業した。
ほかにも、キム・ゴウン&パク・ジヒョン主演『ウンジュとサンヨン』ではパク・ジヒョン扮するサンヨンが意中の男性と歩くシーン、映画『ソジュ戦争』では、ユ・ヘジンとイ・ジェフンが酔っ払って歩くシーンが、ともに楽園商街脇のタプコル公園沿いで撮影されている。
また、アン・ヒョソプとチェ・ウォンビン主演『本日も完売しました』では、チェ・ウォンビン扮するイェジンとキム・ボム扮するエリックが散歩するシーンが楽園商街近くの安国駅前で撮影された。
『イカゲーム2』には、コン・ユ扮する “サラリーマン” が、タプコル公園の中で踊るようにパンを踏みつけるシーンが登場する。
チョン・ヘインとキム・ゴウン主演映画『ユ・ヨルの音楽アルバム』では、キム・ゴウン扮するミスの姉的存在の女性(キム・グッキ)が切り盛りするスジェビの店が、楽園商街の地下の市場で撮影された。
楽園商街辺りだけでなく、周辺の北村エリアや60年近い歴史のあるビル群、世運商街とその周辺エリアで撮影された作品も多い。
江南エリアと比べると、アジア的な猥雑さが残っていて、ややあか抜けしない旧市街がドラマや映画にたびたび登場するようになったのは、なぜだろう。