■西洋的洗練を追う時代から、韓国らしさを見直す時代へ
政治的、経済的に安定すると、アジアの国々が西洋的洗練を求めるようになることは1980年代の日本を見ても明らかだろう。台湾、シンガポール、中国、タイなどもその例だ。韓国の場合は2002年のFIFAワールドカップを経た頃からそれが顕在化し始めた。カフェが急増したり、ワインの消費量が上がったりしたのもその表れだ。
しかし、そんな傾向も2010年を過ぎた頃、「一周した」感がある。楽園商街と同じ鐘路3街エリアにある益善洞(イクソンドン)の古民家街が一大観光地として賑わったり、60年近い歴史のある世運商街ビルが遊歩道として整備されたりして、ニュー・レトロ(新懐古趣味)という言葉がもてはやされた。
長らく、「早く早く!」「先へ先へ!」の時代が続いた我が国だが、リョ・スンリョン主演ドラマ『ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語』や、ハ・ジョンウ主演ドラマ『韓国でビルオーナーになる方法』に象徴されるように、激化するSPEC競争や不動産投資熱に疲弊していることも事実。
少しスローダウンして古いものや韓国らしいものを見直そうという大衆心理が、ドラマや映画にも影響を与えているのだろう。