釜山慶州を巡るツアー2日目は海雲台ブルーラインパーク(観光列車)を体験し、ナッコプセ(タコと牛シマチョウとシュリンプの辛い鍋)のランチを楽しんだあと、波打ち際にある名刹、海東龍宮寺に向かった。

■『マイネーム: 偽りと復讐』4話に登場した海東龍宮寺へ

 海雲台からバスで北上した機張郡の海沿いにある海東龍宮寺は、Netflixシリーズ『マイネーム: 偽りと復讐』(ハン・ソヒパク・ヒスンアン・ボヒョンキム・サンホ出演)の4話で観たが、実際に行ったことはなかった。

 数年前にテンプルステイした江原道の洛山寺、済州道の薬泉寺も海に面していたが、波しぶきが飛んできそうなロケーションという点では海東龍宮寺が抜きん出ている。

 金曜の午後だったが、内外の観光客で大変な賑わいだった。騒々しい寺というのもどうかと思うので、読者のみなさんには平日午前中の訪問をおすすめしたい。

海東龍宮寺は東海線松亭駅1番出入口が最寄り

 駐車場と寺を結ぶ参道沿いには半獣半人の十二支像が並んでいて、行き帰りに見物することができる。自分の干支の像のとなりで記念写真を撮っている人々の姿に既視感がある。それはある映画の一場面だった。

 酉(とり)と申(猿)の像の間に立つ二人の男女。Webでタイトルを検索すると、宣伝写真を見ることができる。当時19歳の柄本佑と26歳の江口のりこ主演の日本映画『ボーイ・ミーツ・プサン』である。

 今回のツアーでは、西洋的な洗練が進んだ釜山を見る機会に恵まれているが、まだあか抜けしていない釜山、サラムネムセ(人の匂い)あふれる釜山を見たかったら、2006年に撮影されたこの映画は必見だ。安旅館のヨクジェンイ・アジメ(毒舌おばさん)、どこか間延びした感じの海雲台ビーチ、クジラ型の国際旅客ターミナルに役目を譲った現・沿岸旅客ターミナルなどを見ることができる。

 監督は、『ボーイ・ミーツ・プサン』の3年後に撮った映画『カフェ・ソウル』で、旅行ライター役の斉藤工にソウル益善洞の路地を疾走させた武正晴。本作が監督デビューだ。

海東龍宮寺の山道に並ぶ十二支の立像。映画『ボーイ・ミーツ・プサン』主演の柄本佑と江口のりこは手前から二体目と三体目の間に立っていた
十二支像を左手に見ながら進むと、左手に海東龍宮寺に至る下り階段がある