日本よりその密度が高い韓国のコンビニ。ソウルの街も、「星の数?」と思えるほど多い。観光客にとって言葉の壁が低いコンビニは重宝な存在で、1日に2~3回はコンビニに入るという日本人も少なくないという。

 韓国のコンビニでその店舗数が多いチェーンは、『CU』と『GS25』。一見、似たようにも映るが、実際に入ってみると、その方向性の違いに気づく。

■韓国の最新コンビニ事情、『GS25』は無人化へ進んでいる?

 CUはどちらかというと、日本のコンビニに近い。「これはどうすれば買うことができるんだろう」と悩むことは少ない。しかしGS25は違う。新しいマシンやシステムが次々に導入されている。韓国のコンビニの将来はこうなる……と主張しているかのように。

 GS25がめざしているのは省力化のように映る。韓国の最低賃金は日本円で1000円を超えている。軒数が多いから収益率も苦しい。そこで省力化……というか無人化をとり入れようとしている。

 昨年末、仁寺洞のゲストハウスに泊まっていた。近くにGS25があった。毎日お世話になった。

 その店はショッピングモールの2階にあり、そこそこの広さがあった。はじめて入ったとき、少し戸惑った。通常の商品が並ぶエリアへ向かう通路の両側に大型機械が並んでいたのだ。ガラスで覆われたそこには、アームが物々しい機械が置かれていた。

 それはフラッペ、ポップコーン、ピザ……などをつくるロボットだった。欧米人の家族連れがポップコーンロボットの前に立っていた。子供が食べたいといったようなのだが、誰もがその扱いがわからないようだった。英語の説明に見入っている。結局、諦めたようで、素直に店内のスナック菓子が並ぶコーナーに向かっていった。

GS25の店内にて。これはフラッペをつくるロボットか。アームがどう動くのか見たかったが

 ある日、昼頃まで宿で仕事をしていた。昼食と思ったが、仁寺洞という観光地に泊まってしまうと、これがなかなか難しい。韓国料理やお茶が飲める店は多いのだが、どこも列。宿の周りの店は、へジャブ姿の女性が多かった。インドネシアやマレーシアからやってきた観光客だろうか。仕事の合間にサクッと食べたいから、店頭に列がある店は避けてしまう。簡単にすますことができる屋やキムパム屋がない。結局はコンビニのイートインスペースということになってしまう。

 朝、コーヒーとパンを買ったGS25に入るしかなかった。

 カップ麺とおにぎりでも食べようと思った。カップ麺コーナーにはかなりの種類が並んでいた。EASYからHARDまで陳列棚が分かれていた。熱湯を注ぐだけの簡単タイプと、具が何種類もあって入れる順番が決まっているようなタイプということだろうか。

 パッケージにいろいろ書かれた調理法の英文を読むのも面倒なので、熱湯を注ぐだけのEASYカップ麺を選んだ。それを買い、給湯器を探した。イートインスペースの前にいくつもの機械が並んでいた。そのなかのひとつが給湯器だった。湯を注いで、イートインスペースに座った。