Netflix韓国ドラマ『隠し味にはロマンス』は、兄との跡目争いに敗れかけ、全州に都落ちした弟ハン・ボム(カン・ハヌル)が、料理人モ・ヨンジュ(コ・ミンシ)の切り盛りする良心食堂の再興に手を貸す物語だ。第4話では、ドラマ製作者の市井の人々を見つめるまなざしのあたたかさにホロッとさせられた。(以下、一部ネタバレを含みます)
■Netflix『隠し味にはロマンス』4話の見せ場は美食の里、全州のキッチンカー料理コンテスト
食の都、全州の路地裏にひっそりたたずむ食堂「ジョンジェ」。主人のヨンジュが採算度外視で食材にこだわるあまり経営不振に陥っているうえ、さまざまな困難がふりかかってくる。
ソウルからレシピを盗みに来たはずのボム、全州の別の食堂から移ってきたミョンソク(キム・シンロク)、ミョンソクが働いていた食堂のドラ息子チュンスン(ユ・スビン)が加わり、店を盛り上げようとしているが、先行きは不透明だ。
4人は起死回生策として、全州のフードフェスタのキッチンカー料理コンテストに出場する。狙いは食堂の再興に必要な賞金10000万ウォンだ。
しかし、そのフェスタには、今やボムの仇敵であるソウルの大手食品会社が後援者として関わっていて、コンテストには刺客としてボムのパートナーだった料理人チャン・ヨンヘ(ホン・ファヨン)が送り込まれていた。

■敵も味方もなし! 料理をつくる人の表情を生き生きと捉えた名シーン
キムパプ(海苔巻き)、母酒(アルコールを飛ばした韓方マッコリ)、鶏のコンフィ、タッカンジョン(フライドチキン甘辛ソース和え)、トッポッキ、コチクイ(串焼き)、チュロスなど、コンテストに登場する飲食も興味深かったが、感心したのは、4話の後半から、カメラが夕陽をバックに料理を作る人たちとそれを食べる人たちの笑顔を捉えるシーンだ。
ヨンジュやボムにとってヨンヘはライバルなのだが、カメラは敵も味方もなく平等に彼らの生き生きとした表情を捉えていた。
それは韓国の市場を歩いたり、大衆酒場で地元の人に交じって飲んだりしているときに遭遇する美しい光景だった。これぞ韓国の観光資源。世界遺産やミシュラン3つ星店にも負けない韓国の本当の魅力である。


