■タコ料理といえば全羅南道

 韓国でタコ料理の専門店といえば、その店の主人は高確率で全羅道、それも全羅南道の人だ。朝鮮半島の南西部にはテナガダコやイイダコを産するケッポル(干潟)が多いのである。

「ヘテ食堂」の主人はもちろん、ソウルの忠武路にあるイイダコ焼きの老舗「忠武路チュクミプルコギ」の主人も全羅南道の出身だ。

 筆者が同店を取材した25年前、主人(男性)はすでに50歳を過ぎていたが、あまりに肌がきれいなので秘訣を聞くと、答えは「タコをよく食べるから」だった。タコはビタミンE、亜鉛、タウリン、アミノ酸、ビタミンB2などを豊富に含むので美肌効果が期待できるのだ。

全羅南道の食堂で韓定食を頼むと、かならずと言っていいほどナクチが出てくる
麗水で食べた豚肉と海鮮の混ぜ焼きにもチュクミが入っていた
「忠武路チュクミプルコギ」の辛いタレをかぶったチュクミ(イイダコ)