恋のときめきと悩める青春を描く映画『君の声を聴かせて』主演ホン・ギョン、ノ・ユンソ、キム・ミンジュが魅せた最高のケミストリー〈インタビュー／後編〉

キム・ミンジュ「もともと、おふたりよりも経験が少ないので心配していたのですが、ユンソさんを見ながら、目の前の現場の状況に集中すれば十分だということを学びました。本当のお姉さんのように引っ張ってくれて、気楽に接することができたので、自然な姿が映画になりました。とても感謝しています。

　ホン・ギョンさんはすごく繊細でディテールにこだわる方でした。先輩の話を聞くと、『私はなんであそこまで考えられないんだろう』って、もっとがんばらないといけないって気持ちになります。気になることなどを聞くと、色々と説明してくださったので、本当にたくさん助けていただいたと思います」

――最後に、好きなシーンを教えてください。

ホン・ギョン「ある出来事をきっかけにヨルムとガウル姉妹のあいだに亀裂ができるんですが、プールで泳いでいたガウルが途中で泳ぎを止める姿をズームとらえたシーンが、とても映画的で好きです」

ノ・ユンソ「ヨルムが外から見つめているシーン？」

ホン・ギョン「そうそう。あのショットひとつでガウルの心がすべて説明できると思いました。撮影監督にもすごくいいですねと話しました」

ノ・ユンソ「インタビューを受ける度に答えが変わるんですけど（笑）。水泳の大会に出たガウルがプールに飛び込んで泳いでいるところから観客席で応援している私のところまで、ワンテイクでカメラが追っていくシーンが好きです。ガウルがそこまで過ごしてきた時間と苦労が感じられました。ガウルが飛び込む前にストレッチをする姿を見て『本当に水泳選手みたい』と思ったのを覚えています」

キム・ミンジュ「私はふたりがデートをするシーンです。初々しくてとってもかわいかったです」

■プロフィール

●ホン・ギョン　1996年生まれ。ドラマ『恋するレモネード』（2017年）で俳優デビュー後、『潔白』（2020年）で百想芸術大賞映画部門の男性新人演技賞を受賞。その後、『コメント部隊』（2024年）などの映画、『弱いヒーロー Class1』（2022年）、『悪鬼』（2023年）といったドラマ、アニメーション『あの星に君がいる』（2025年）の声の出演と快進撃が続く。Netflix映画『グッドニュース』が10月17日から配信開始。

●ノ・ユンソ　2000年生まれ。オールスターキャストが話題となったドラマ『私たちのブルース』（2022年）でデビュー作とは思えない落ち着いた演技を披露。続く『イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜』（2023年）で百想芸術大賞ドラマ部門の女性新人演技賞を受賞した。その他の出演作に『20世紀のキミ』（2022年）、ドラマ『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』（2024年）などがある。

●キム・ミンジュ　2001年生まれ。インディペンデント映画への出演後、オーディション番組「PRODUCE48」を経て、2018年にアイドルグループIZ*ONEの一員として歌手デビュー。グループ解散後は『禁婚令 -朝鮮婚姻禁令-』（2022年）、『コネクション』（2024年）、『アンダーカバーハイスクルール』（2025年）といったドラマで活躍。今作で商業映画デビューを果たした。

●あらすじ

　将来への展望が見えず、悶々とした日々を送っていたヨンジュン（ホン・ギョン）は、両親が営む弁当店の手伝いで配達に行ったプールで、熱心に応援する女性ヨルム（ノ・ユンソ）に一目惚れする。聴覚障がい者である妹ガウル（キム・ミンジュ）の水泳選手としてのキャリアを第一に考える彼女は、アルバイトをしながら練習の送り迎えをしていた。ひょんなことでヨルムと親しくなったヨンジュンは、ガウルも交えて楽しいときを過ごすのだが……。