「砂糖、小麦粉を一切使っていない店。炭水化物も使っていない店です。定食にはご飯もつくので、料理に使っていないという意味ですね。グルテンフリーっていうより、健康のためにっていう発想なんだと思います。シンノンヒョン駅の周りには、こんな店もあるんですね。飲み会の店ばかりじゃない。この界隈、なかなか深そうです」

 階段をのぼった2階にある店だった。明るい清潔な店内だった。酒を飲むような雰囲気ではない。豚肉キムチチゲの定食を頼んだ。1万1900ウォン(約1262円)だった。

 入口にあるタッチパネルで注文するスタイルだった。日本語もあった。

 入ったときは客がひとりもいなかったが、料理を待っていると、次々に客は入ってきた。女性ばかりだった。近くの会社で働いている人のようだった。

 豚肉キムチのチゲはいい味だった。料理に砂糖を少し加えるとコクが出る。この店は砂糖ゼロだったがしっかりとした味に仕立てていた。

 夜になると男性客もくるようだった。どこかで夕食と考えたとき、砂糖や小麦粉抜きというポリシーに惹かれた人たちだろう。健康に気を遣っているサラリーマンたちということか。

 日本からの旅行者にもいろんな人がいる。なかには小麦粉や砂糖を敬遠する人もいるだろう。そんな人にも向いている店だ。シンノンヒョン駅周辺の店は選択肢が広い。それだけの密度があるということだろう。

店内にも砂糖を使っていないポスターが

(つづく)