『キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~』(テレビ東京系、Netflix独占配信中)は、赤楚衛二扮する料理人見習いとカン・ヘウォン(元IZ*ONE)扮する留学生のラブストーリーだが、日本に韓流の風が吹き始めて20年以上経つ今どきのドラマらしく、これまであまり脚光を浴びなかった風物が取り上げられていて、日韓文化の相互理解が深まっていることを感じさせる。
■韓国のヌルンジとは?ヌルンジ飴は「やさしい味」
『キンパとおにぎり』4話で、赤楚衛二扮する大河とカン・ヘウォン扮するリンの距離が一気に縮まり、二人が和やかムードにあるときに登場したのが、ヌルンジ飴だ。
韓国語でヌルンジとは、釜などで米を炊いたとき釜底にできる茶色いおこげのこと。ヌルンジ飴はそのおこげにほのかな甘味を加えたキャンディで、韓国語では「ヌルンジマッケンディ」(おこげ味キャンディ)とか「ヌルンジヒャンケンディ」(おこげフレーバーのキャンディ)と呼ばれる。
リンが言っていたように、ヌルンジ飴は郷愁を呼び起こすやさしい味と香りだ。食堂のレジカウンターにサービスとして置いてある飴のなかに混じっていることも多い。
韓国では、釜底のおこげを削り取っておせんべいのように食べたり、お湯をかけてお粥のように食べたり、お茶のように飲んだりする。味付けはしない。韓国料理には刺激の強いものが少なくないので、これがいい口直しになる。インスタントラーメンのようにカップに入ったものも売られている。
食堂では副菜(パンチャン)のひとつとして出されることもあるが、都市部ではあまり見かけない。副菜がたくさん出る田舎町の食堂なら出合える可能性が高いだろう。
■韓国の有力輸出商品パプリカ
本作4話の後半には、リンがキンパ(海苔巻き)を作るシーンがあった。今風だなあと思ったのが、彼女がキンパにはかならずパプリカを入れると言っていたことだ。
パプリカは2003年以降、韓国が関税撤廃などを主目的とするFTA(自由貿易協定)を世界各国と締結したとき、競争力のある輸出商品として生産に力を入れ始めたものだ。赤や黄など色が鮮やかでサラダが華やかになり、肉厚でシャキシャキとした食感はキンパのアクセントになる。
韓国産パプリカは日本でも流通しているのでスーパーで見かけた人もいるだろう。