Netflixで大ヒット中の『素晴らしき新世界』は朝鮮王朝時代、服毒で極刑に処された宮中の女性カン・ヒビン(イム・ジヨン)が、どういうわけか300年後の現代社会に蘇り、女優シン・ソリとして生きる話だ。物語の回を重ねるごとに、シン・ソリと因縁のある財閥3世チャ・セゲ(ホ・ナムジュン)の関係は深まっていく。(以下、一部ネタバレを含みます)

■Netflix人気作『素晴らしき新世界』ソリがセゲに誘われた深夜の「漢江ラーメン

『素晴らしき新世界』第8話の序盤、二人は韓国ドラマや映画にたびたび登場する「深夜のラーメン」を介して男と女を強く意識するようになる。

 大小のトラブルに巻き込まれたストレスを解消しようと、セゲがソリに言う。

「(気晴らしに)ラーメンでも食べるか?」

 スマホで必死に勉強して現代社会に過剰適応しているソリは、ドラマや映画の見過ぎなのか、男女が深夜にラーメンを食べるということは……と想像をたくましくする。

「まだ心の準備ができていない」

 そう言って助手席で騒ぎ出し、セゲを困惑させるソリ。

 二人が着いたのはソウルの漢江沿いにある盤浦公園。背後に見えるのは盤浦大橋だろう。

 セゲがコンビニで作った即席ラーメンを差し出すと、ソリは拍子抜けしたようなホッとしたような顔をする。

 ソリ「あなたの言うラーメンって……」

 セゲ「これが漢江ラーメンだ。どうした? どんなラーメンを期待していたんだ?(ニヤリ)」

 男女が深夜にラーメンをめぐる意味深な会話をする。こうした見せ場は、『誰だって自分の無価値と闘っている』第1話でドンマン(ク・ギョファン)が一人、部屋で映写していた名作映画『春の日は過ぎゆく』(2001年)のワンシーンから広まった。

 韓国人はもともと屋外での飲食が好きだ。セゲがソリを誘った「漢江ラーメン」は、コンビニでお湯を入れた即席ラーメンを漢江沿いの公園で食べることがブームとなったもので、それが外国人旅行者にも知られ、今やソウルの観光アクティビティのひとつになっている。

 Netflix『隣の国のグルメイト』シーズン2の第7話にはソン・シギョンと松重豊が、実際に盤浦大橋たもとで漢江ラーメンを楽しむシーンがあるので見てほしい。

『素晴らしき新世界』の劇中、セゲとソリが深夜「漢江ラーメン」を食べたソウルの漢江、盤浦大橋のたもと
日本のような生ラーメン専門店も珍しくなくなっているが、韓国では今もラーメンと言えば袋入りの即席を指すことが多い 
 「漢江ラーメン」は汁ありラーメンだけでなく、チャジャンミョンもあり