Netflix配信『エージェント・キム: リアクティべーティッド』は、過去に秘密があるシングルファーザーが、突然姿を消した高校生の娘を捜索する話だ。主人公のキム部長を韓流スター俳優のソ・ジソブが演じていて、スタート早々に注目を集めている。(以下、一部ネタバレを含みます)

■Netflix配信『エージェント・キム』ソ・ジソブ扮するキム部長が耐えに耐える!

 本作は、家族愛(『おつかれさま』『7番房の奇跡』)、いじめや暴力(『鉄槌教師』『梨泰院クラス』)、誘拐(『模範タクシー』『チーム・ハズバンド』)、北朝鮮(『愛の不時着』『コンフィデンシャル』シリーズ)など、ヒット作の要素がてんこ盛りで、ソ・ジソブ扮する主人公をはじめ、周辺人物に扮する俳優も豪華。これぞ “韓流” と言うべき作品である。(以下、一部ネタバレを含みます)

 また、『スーパーマン』や『バットマン』の例を挙げるまでもなく、公にできない過去をもつ主人公が、本領を発揮して悪に立ち向かうという話は洋の東西を問わず好まれる。

 韓国の作品であれば、ふだんは家事に専念し、刑事である妻を支えている夫が特殊工作員時代に培った能力をフル活用して妻を助けるファン・ジョンミン主演映画『クロス・ミッション』。薄暗いテナントで質屋を営んでいる男性が、隣宅の少女の窮状を見かねて救出に向かうウォンビン主演映画『アジョシ』は、その典型だ。

『エージェント・キム~』は全10話のドラマということもあり、能力を発揮するまでの“じらし”が効いている。

 第1話後半で本気を出すまでの約50分間、主人公のキム部長(ソ・ジソブ)は耐えまくる。娘のミンジ(ソ・スミン)から疎まれるが、娘の誕生日にわかめスープやプルコギチャプチェを作ってじっと待つ。

 学校で娘をいじめた生徒の親(チュ・サンウク/『太宗イ・バンウォン』『不滅の恋人』)からは罵倒され、土下座までする。

『エージェント・キム: リアクティべーティッド』劇中、娘の誕生日にキム部長はプルコギ(写真中央)を作って家で待っていた
『エージェント・キム: リアクティべーティッド』でキム部長の娘が通学に利用しているマウルバス

■『エージェント・キム』で寡黙なキム部長を助ける快活な脇役たち

 そんな不憫なキム・部長だが、彼には何人かの味方がいる。

 娘とのコミュニケーションに難のあるキムに助言する、勤務先の銀行職員サンア(元Apinkソン・ナウン/『家いっぱいの愛』)の屈託のなさは一服の清涼剤だ。

 また、キム部長の旧友たちもこの殺伐としたドラマを軽快なものにしている。

 その一人が海兵隊出身の社会奉仕員ジンチョル。もう一人がテコンドー道場主ハンスだ。スーツのキム、軍服のジンチョル、道着のハンスが焼肉屋で飲み会をした挙句、大暴れするシーンは、第1話最大の見せ場だ。