人気バラード歌手ソン・シギョンと女優の三吉彩花が、韓国と日本で食べ歩きするNetflixグルメバラエティ『隣の国のグルメイト』。シーズン6の第9話では、二人がソウル・江南の狎鴎亭で、伝統的な韓国料理に西洋的なアレンジを加えたフュージョン料理を楽しんだ。コースで提供されたその料理の数々は韓国の料理文化の成熟を感じさせるものばかりだった。
■『隣の国のグルメイト』に登場、ミシュランを獲得した江南のフュージョンレストラン
ミシュランを獲得しているレストラン「キワカン(気と江)」の料理は、ひと昔前で言えばフュージョンと呼ばれるジャンルに分類されるものだ。
炊事担当の兵士の奮闘を描いたドラマ『伝説のキッチン・ソルジャー』には、メニューに悩んだ主人公(パク・ジフン)が「(高級志向のライバルに勝つには)フュージョンの要素を加味する必要がある」と、既存の韓国料理に+アルファの要素を加えようとするシーンがあった。
2000年前後に韓国で流行したフュージョン料理とは、韓食、洋食、中華、和食といったジャンルを飛び越えた創作料理のようなものだ。当時、韓国の友人に連れられ、何度か食べたことがあるが、筆者はダイナミックで飾り気のない韓国料理が好きなので、正直ピンとこなかった。
しかし、『隣の国のグルメイト』シーズン6第9話でのソン・シギョンの反応を見ていると、この二十数年間の韓国人の料理に対するこだわりや料理人の社会的地位向上によって、フュージョン料理もずいぶん進化したのだなと感じ、この店に行ってみたくなった。
前菜として出てきた旬のかぶは、俗にいうベジ・ファースト(まず野菜から食べる)によって血糖値の上昇を緩やかにするという意味で客に対する配慮が感じられる。
日本の大衆酒場が好きな筆者は、東京の池袋や高田馬場にある居酒屋の人気メニュー、かぶ味噌を思い出してしまった。茎を5~6センチ残して食べやすい大きさに切ったかぶに味噌をつけて食べるだけなのだが、焼きとんの箸休めに最高である。