最近、海外に出ると、物価の高さに動揺してしまう。「アメリカではラーメンが5000円以上する」、「パリではちょっとしたレストランでもひとり3万円……」。そんな話が耳に届く。

 それはアジアも例外ではない。欧米ほどではないが、じりじりと物価はあがっている。タイでもクイッティオと呼ばれるそばが50バーツ以上する。日本円で200円以上だ。

 3年ぶりに訪ねたソウルでもそうだった。

■ソウル滞在中の昼食はチャジャンミョン、その理由は?

 ソウル駅に近い宿に泊まった。昼はソウル駅のフードコートでとることが多かった。

 韓国語が読めないから、普通の食堂に入ると戸惑うことが多い。壁に書かれたメニューは韓国語ばかりで、とりつくしまがないことが珍しくない。

 その点、ソウル駅のフードコートは楽だった。英語がメニューに併記されているからだ。食券を買うカウンターの脇にメニューボードがある。それを眺めながら、呟くことになる。

「韓国も高くなった」

 安いメニューを探す。

 うどん7500ウォン。日本円で800円近くする。

 韓国ではうどんは、「うどん」で通じる。日本の駅そばに近い感覚で、気楽に食べることができる。以前の旅の日々を思い出してみる。正確な料金は忘れてしまったが、5000ウォン程度だった気がする。いや、もっと安かったか。ところがソウル駅のフードコートで7500ウォンもする……。

 野菜キムパプ(キンパ)4500ウォン、約500円。キムパプは日本の海苔巻きに似た料理だ。これも安い料理で、以前は3000ウォン程度ではなかったか。

フードコートのうどん。7500ウォンはやはり高い
キムパプ。これで4500ウォンもしてしまう