■3年2カ月ぶりのソウル、鍾路3街でカルメギサルを食べる!
今夜はテレビ番組取材のお礼も兼ね、鍾路3街の焼肉店『味カルメギサル専門』でカルメギサル(豚ハラミ)を食べる。
この店の主人オム・ジュワンさん(全南珍島出身)には十数年前から注目していた。韓国の飲食店経営者はマネジメントだけする人が少なくないのだが、オムさんは75歳になる今でも自ら客席に炭や肉を運び、接客し、閉店後はテーブルの後片付けまでしている。片時もじっとしていない。ときには一緒に働いている奥さんを厳しく叱責する(チョン・ウンスクの話によれば逆もあるらしい)。
彼が働く姿は、老人憩いの場とおしゃれなカフェレストラン街と酔客たちが嬌声をあげる屋台街が共存する、カオスな鍾路3街のもっとも美しい風景だ。今回、テレビを通じてオムさんの素顔を日本の人に知ってもらえたことがなによりうれしかった。
肉を食べた後は、鍾路3街駅3番出入口近くの屋台でN氏らと飲む。TERRA、CASS、眞露、セロ……。韓国の大衆酒に味のうんちくなど不要。豚皮などの脂っこいものをつまみながら、アルコールと清涼感だけ感じればいい。
旨い。楽しい。還暦を迎えたばかりで言うことではないが、生きていてよかった。(つづく)