私の事務所代表(日本人男性、韓国は3年2カ月ぶり)のソウル・釜山・大阪10日間の旅。
シリーズ連載8回目は、ソウルと釜山で過ごした7日間で彼が気づいた韓国の変化と、帰国の釜山~大阪の船旅について。
■仮想体験ではない、リアルな韓国の手ざわり
釜山ではチャガルチ市場、南浦洞、東光洞、凡一洞。ソウルでは仁寺洞、鍾路3街、世運商街、乙支路3街~4街、忠武路、延新内、回基洞、清凉里、京東市場、千戸洞などを歩いた。
「ブランク明けの韓国は蜜の味」、3年2カ月ぶりの訪韓の感想をひとことで言うならこうだ。
2002年にソウルにワンルームを借り、半分住んでいるような生活を12年間続けたので、1989年の韓国デビュー時の震えるような感動は少なくなっていた。日本人が押し寄せ、甘口になっていったソウルが物足りなくなり、2004年頃から地方取材に注力するようになったり、地方がある程度日本の旅行者に認知されてくると、ソウル再発見の取材を始めたりしたのはある意味、マンネリ打破のためだった。
この3年間、日本のコリアンタウンの料理の水準はかなり上がったし、食品や酒類も数週間遅れで日本に入ってくるようになってはいたが、やはり現地の空気ごと、喧騒ごといただいてこそ韓国の味だ。
また、タルトンネ((直訳=月の町)やオクタッパン(屋上住宅)など、それまでクローズアップされることのなかった風景も韓国ドラマや韓国映画で観られるようになったが、しょせん代理満足。気ままにほっつき歩くこととの楽しさとは比べようもない。
今回の現地体験で見たもの、食べたものはまさに血と肉になった。3年ぶりにもかかわらず撮った写真が少なかったのは、この身で感じることを優先した証拠である。