韓国のコンビニに併設されるイートインスペース。その数は、日本のコンビニに比べるとはるかに多い。そこで食べる朝食には割り引きもある。

 コロナ禍が明け、韓国のホテル代はずいぶん高くなった。僕は以前から安宿に泊まるタイプの旅行者だが、その種の宿も1泊5000円を超えることすらある。そのなかで安い宿を探すから、部屋はますます貧相になっていく。この種の宿は朝食はまず望めない。部屋も狭く、机がないことは珍しくない。そこでコンビニ。イートインスペースはそんなタイプには強い味方である。

ソウルのコンビニ、イートインスペースはカップを啜る韓国人が多い

 そのコンビニのイートインスペース。昼、そして夜……混み合ってはいないが、いつもそこそこ埋まっている。コーヒーを飲むといった人は朝だけで、それ以降は、カップ麺を啜る韓国人が多い。このイートインスペースは、カップ麺コーナーではないかと思うことすらある。

 オフィス関連機器の販売会社で売り上げ管理を担当しているPさんはこういう。

「本当に忙しいときはコンビニ。カップ麺でサクッと。オフィスにもち帰って食べてもいいけど、ちょっと気分転換を兼ねてイートインスペースを使います。一緒にキムチとかたくわんも。ちょっと物足りないときはキムパム(キンパ)。助かります」

 こんな使い方が多い。ある日の昼前の11時頃、コンビニに入ると、高校生がふたり、イートインスペースでカップ麺。見ると向かいが高校だった。昼までもたず、休み時間にコンビニまでやってきたのだろうか。

 イートインスペースでカップ麺派は本当に多い。棚に並ぶカップ麺も多彩。日本でも売られている辛ラーメンは1800ウォン(約200円)、キムチの小さなパックは1500ウォン(約166円)。たしかに手軽で安い。店内には必ず給湯器が置かれ、箸も用意されている。容器を捨てるゴミ箱も置かれている。カップ麺を食べる環境は完全にそろっている。

このコンビニは高校前にあった。このスペースで高校生はカップ麺