話題作『ドクタースランプ』の1話の終わりと2話では、ハヌル(パク・シネ)の住むソウルの家が確認できる。
レンガ造りの2階建て。屋上にはジョンウ(パク・ヒョンシク)が住むことになるオクタッパン(屋上にある仮設住宅)がある。
オクタッパンについては、ドラマ『無人島のディーバ』『シスターズ』『スタートアップ:夢の扉』『屋根部屋のプリンス』、ハ・ジョンウ主演映画『素晴らしい一日』、ユ・アイン主演『ワンドゥギ』、チャ・テヒョン主演『覆面ダルホ 演歌の花道』などに登場しているので、日本の視聴者にもおなじみだろう。
では、この『ドクタースランプ』の家がある場所はどのあたりだろうか。
■Netflix『ドクタースランプ』パク・シネとパク・ヒョンシクが住む家のロケーションは?
劇中、カメラは北から南にハヌルの家を捉えることが多い。注目したいのがロケーションだ。
家の前の通りを挟んで右側に城壁のようなものが見える。韓国リピーターなら何だかすぐわかるはず。そう、朝鮮王朝時代の漢陽都城(ハニャンドソン)である。
ソウルは今でこそ、漢江の南側(江南エリア)まで含む約605平方キロの広範囲に渡っているが、昔は、東西は東大門から南大門、南北は南山から北岳山を城壁で環状線のように結ばれていた。つまり、城壁によって内(都)と外(都以外)が隔てられていたのだ。
今でも高齢者のなかには、いくら江南が豊かになったと言っても、江北(漢江の北側)の城壁の内側こそソウルという潜在意識をもっている人がいる。昔は内側と外側の格差が鮮明だったからだ。
かつてのソウル(漢陽)を囲む城壁は、興仁之門(東大門)・敦義門(西大門)・崇礼門(南大門)・粛靖門(北大門)から成る4つの大門と、恵化門(東小門)・昭義門(西小門)・光煕門(南小門)・彰義門(北小門)から成る4つの小門で結ばれていた。
その後、城壁の内と外を結ぶ路面電車の開通や日本植民地時代を経て、城壁の多くが取り壊された。2013年には漢陽都城の再生計画が策定され、現在は城壁全体の7割程度が復元されている。