韓国の人気バラード歌手ソン・シギョンと日本のモデルで女優の三吉彩花が、韓国と日本で食べ歩きするNetflixグルメ番組『隣の国のグルメイト』シーズン5。第5話では、三吉彩花がソン・シギョンを東京・西麻布の高級焼肉店に案内した。松坂牛をはじめとする日本のブランド牛肉のさまざまな部位を味わいながら交わされた二人の会話は、韓国と日本の焼肉の違いが明らかになる興味深い内容だった。
■日本と韓国の焼肉店、業態の違いは?
日本の焼肉店の業態を俯瞰すると、A「地元客相手の中小規模の店」、B「コリアンタウンの韓国料理店」、C「都心部など大都市の高級店」の3つに分けられるだろう。
AやCの店は牛肉のみを扱っていたが、20年ほど前、韓国旅行者の増大とともにBの店がサムギョプサルを出して人気を得ると、その需要を無視できずサムギョプサルを扱うようになった。もともとミノやレバーなどの内臓肉も出していたので、日本は総合焼肉店が多い印象だ。
一方、韓国の焼肉店の業態は、ソン・シギョンが番組で話していたように肉の種類ごとに細分化されている。牛肉専門、内臓専門、プルコギ(すき焼き風牛焼肉)がメイン、サムギョプサルの専門店も無数にある。
だから、牛カルビとサムギョプサルの両方を食べられる店は多いとはいえない。精肉店系の焼肉店か、明洞などの観光エリアで日本人旅行者を意識している店くらいだろう。
■牛タンを食べたことのない韓国人は多い
『隣の国のグルメイト』で三吉彩花はオーダーを店の主人に「おまかせ」した。「おまかせ」という言葉は韓国の日本旅行リピーターや食通のあいだでも知られている。食文化の豊かさや料理人に対する信頼と尊敬が感じられる言葉で、いつか日本の寿司屋などの常連になって、「おまかせ」で楽しんでみたいと思っている韓国人は少なくない。
同番組で最初に出てきた牛タンは韓国では「ウソル」(牛舌の韓国語読み)という。ソウルや釜山にある日本式焼肉店のメニューにはあるが、一般の焼肉店でなかなかお目にかかれない。筆者も1990年代後半の日本留学中にアルバイトした焼肉店で初めて食べた。
日本では最初に牛タンを食べる人が多い。油が少なく、さっぱりと食べられるからというのが理由らしい。また、焼き網を汚さないから牛タンから食べるという話も聞いた。日本の焼肉店は肉をたくさん注文しないと焼き網の交換を頼みにくい空気があるようだ。韓国ではそんなことはないので遠慮なく交換を申し出てほしい。