ユニークな演出も話題の料理ドラマ『伝説のキッチン・ソルジャー』最終12話。カルグクスを使ったパスタや牛肉のピカタで給食料理大会を戦った炊事兵ソンジェ(パク・ジフン)が、格上の幹部食堂炊事兵ホヨン(オ・スンベク)と雌雄を決する時が来た。調理のヒントをくれる天恵のクエストもないまま、ソンジェが作ったのは?(以下、一部ネタバレを含みます)

■『伝説のキッチン・ソルジャー』炊事兵ソンジェの頼みの綱は父母の愛

 料理大会を勝ち抜いてきたライバル、ホヨンは幹部食堂で鍛えられた超給食レベルの料理人だ。最終決戦では食材の制限がない。フォークとナイフで食べさせる料理が得意なホヨンに対し、ソンジェは経験が少ない。

 悩みに悩んだソンジェだが、最後によりどころになったのは、町の食堂の主人だった亡き父(チェ・ドンムン)の思い出と、ソンジェを育ててくれた母(ソ・ジョンヨン)の味だった。

 父の教えに従い、丁寧に炊いた白飯の脇に添えられたのは、スペアリブのような骨付き豚肉と蒸し煮したキムチを合わせたキムチチムだった。キムチチゲのアレンジとして韓国家庭でよく作られる料理である。今から20年くらい前はちょっとしたブームになり、ソウルのあちこちでキムチチム専門店を見かけた。

韓国の専門店のキムチチム

■韓国料理の醍醐味!キムチの酸味と豚肉の旨味のハーモニー

 キムチチムに使われるのは発酵が進んで酸っぱくなったキムチ(ムグンキムチ)と相場が決まっている。半年以上漬けたものを使うのは当たり前で、1年以上経ったものを使う店も珍しくない。

 総じて浅漬けを好む日本人は、最初は抵抗を感じるかもしれないが、慣れてくると、豚肉の旨味と脂身の濃厚な風味が清涼感のあるキムチの酸味と不思議な調和を成していることがわかってくるだろう。

 キムチチムをつまみながら、ほのかに甘い生マッコリを流し込むと忘我に至る。こうして書いているだけで口中に唾液があふれてくる。

 専門店やキムチチムをよく出す全州などのマッコリ飲み放題の店では、たいてい店員がハサミでキムチや豚肉のかたまりを食べやすく切ってくれる。キムチで豚肉をくるんで食べてみよう。肉や魚などの主菜と副菜、薬味を葉野菜にのせ、巻いて食べるサムとはまた違った、シンプルでダイナミズムあふれる韓国料理の醍醐味が感じられるだろう。

韓国・全州のマッコリ専門店のキムチチム