たとえば生ガキではなく、火を通したカキを茹で豚にくるんで食べる。すると、茹で豚の味をカキが乗り越えてしまう。カキが凌駕してしまうのだ。

 生ガキと茹で豚だから成立する関係。そこにクルポッサムが存在するようにも思えた。クルポッサムはさっぱり系の料理なのだ。

 だから韓国の焼酎であるソジュに合う? つまり酒飲みのための料理……。

 鐘路3街という街に、クルポッサム店が集まるのはそのためかもしれない。

 たしかにクルポッサムは度数が20度を超えるソジュに合う。僕は調子に乗って2本も飲んでしまった。クルポッサムの宴会は2時間ほどで終わった。

 コートを着て店を出る。気温はマイナス10度を切っている。店の前には、宴会に参加した全員が待っていた。

「さあ、これから二次会に行きましょう」

 クルポッサムは二日酔いコースの入口だった。

クルポッサムの味を引き立てる韓国料理の基本アイテム。コチュジャン系が多い。酒飲み料理の証?