Netflix人気作『Missナイト&Missデイ』は、20代と50代を、夜と昼で行ったり来たりすることになってしまった女性が主人公のファンタジーラブコメディだ。

 サスペンスの要素もあるが、20代のヒロインを演じるチョン・ウンジ(Apink)と、50代のヒロインを演じるイ・ジョンウンの体を張った熱演は爆笑必至。また、舞台がソウルではなく地方都市の設定で、泣いたり笑ったりする人々の描写に大変あたたかみがあるので、本筋とは関係ない部分でも見どころが多い。今回はそんな場面にフォーカスしてみよう。

■インスタントなのにすごく美味しそう!『Missナイト & Missデイ』ネットカフェの真っ赤なラーメン

『Missナイト & Missデイ』第7話。退勤後、日暮れとともに50代から20代の姿に戻ったミジン(チョン・ウンジ/Apink)がPCバンに入って行く。PCバンはネットカフェと訳されることが多いが、韓国でその使われ方を見ると、オンライン・ゲームセンターと言うほうが実情に合っている。

 自らの境遇や仕事からくるストレスを解消するかのように、シューティングゲームに興じるミジン。そこにラーメン(ラミョン)が運ばれてくる。スープは真っ赤。茹でるときに加えた2個の卵の白身がアクセントだ。キムチの小皿も添えられている。

 ミジンは目線をゲーム画面に向けたままズルズルッと大きな音を立ててをすすりこむ。ゲームのパートナー依頼も来て上機嫌。丼を両手で持ってスープをズズッとすする。

「あ~っ、熱いけど美味しい」

 このほんの数秒のシーンでたまらなくなった筆者は、台所でお湯をわかし、辛ラーメンを茹で始めた。プロダクト・プレイスメント(ドラマや映画への商品提供)だとしたら企業の思うつぼである。自身の単純さに笑ってしまう。

韓国人が衝動的に食べたくなるものとは?

 私たち韓国人は、ラーメンのような辛いものが衝動的に食べたくなることがよくある。

 地球に小惑星が衝突する直前の人々の暮らしを淡々と描いたNetflix配信ドラマ『終末のフール』でも、餓死を決意して夫とともに寝室に横たわっていた老女が、ぼそっと「ピビムククスが食べたい」と言って、夫に笑われるシーンがあった。

 甘辛いソースを麺にからめて食べるピビムククスもラーメン同様、衝動食いの対象になりやすい。

ピビムククス。「甘辛」と言うよりも、「甘激辛」と言うのが正確