ドラマ『キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~』(テレビ東京系、Netflix独占配信中)は、赤楚衛二扮する日本人とカン・ヘウォン(元IZ*ONE)扮する韓国人のラブストーリーだ。タイトルを見ても明らかなように、日本と韓国の食べ物が象徴的に使われている。

■韓国人が憧れる日本のおにぎりとは?

 ドラマのタイトルの「キンパ」と「おにぎり」は韓国と日本を代表するごはんものだ。キンパは直訳すれば韓国式海苔ごはんで、そのルーツは植民地時代に日本からもたらされた海苔巻きという説が有力。

 その後、韓国で独自の発展を遂げ、酢ではなくゴマ油を使い、肉、魚肉ソーセージ、玉子焼き、ホウレンソウ、ニンジン、タクアン、キュウリなど具が多彩なのが特徴だ。「キンパ天国」などの軽食チェーン、フードコート、コンビニ、屋台などで売られている。

赤米を使って家庭で作ったキンパ

 一方、おにぎりは韓国では「チュモクパ(こぶし型ごはん)」とか「サムガクキンパ(三角海苔ごはん)」などと呼ばれているが、棒状のキンパほど一般的ではない。コンビニにはキンパとともにかならず置いてあるが、米の質はもうひとつ。日本のコンビニおにぎりと比べるとその差は歴然だ。

 韓国人は日本の米に対する憧れが強いようで、筆者が東京で観光案内すると、有名なおにぎり専門店に行ってみたいと言う韓国人は多い。米そのものの旨さとシンブルな具だけで成立している日本のおにぎりは、韓国人にも魅力的に映るようだ。日本への旅行者の増大で、最近の韓国には本格的な日本式おにぎりの専門店もできている。

 日本式おにぎりが韓国で最初に注目されたのは、日本映画『かもめ食堂』が2007年に公開されてからだ。劇中、小林聡美、もたいまさこ、片桐はいりが丁寧に作ったおにぎりは日本人が見ても美味しそうだったので、同じ米食文化の韓国人がハートを掴まれるのも当然だろう。2011年にはすでにソウルの弘大に店名も映画そのままの「kamome」というおにぎり専門店が存在していて、現在もチェーン展開している。

筆者がソウル弘大の「kamome」で食べたおにぎり

■『キンパとおにぎり』に登場するシシトウと牛肉のしぐれ煮に似た韓国料理とは?

 赤楚衛二扮する大河とカン・ヘウォン扮するリンが最初に出逢ったとき、二人の距離を縮めたのが、大河が作ったシシトウと牛肉のしぐれ煮(生姜、醤油、酒、みりんなどを使った煮物)だ。それを食べたリンが韓国にも似ているものがあると言った料理が「ジャンジョリム」だ。

 ジャンジョリムは、割いた牛肉やウズラの卵を小ぶりな青唐辛子とともに醤油や砂糖で煮たもの。濃い目の味付けと唐辛子のほどよい辛味、苦みで、ごはんが進む。

市場の惣菜の店先に並ぶ牛肉とウズラの卵のジャンジョリム