9月10日、大韓航空との統合を控えたアシアナ航空に乗った。東京ーソウル、ソウルーバンコクというルートである。

 統合といっても、アシアナ航空がなくなり、両社が大韓航空になるのは12月17日である。まだ3ヵ月以上の月日がある。それまで、アシアナ航空はいままで通りの就航をつづけるようで、なにも変わらないのではないかと思っていた。

 しかし大韓航空とアシアナ航空という大きな航空会社の統合は、そう簡単なことではないようだった。

■アシアナ航空が大韓航空に統合、その影響は?

 それを知ったのは、アシアナ航空のホームページだった。10月16日から、アシアナ航空に乗っても、同じアライアンスの別航空会社のマイレージプログラムには加算されないという通知が載ったのだ。

 世界の航空会社はいくつかの連合、つまりアライアンスに所属している。アシアナ航空はスターアライアンス。全日空と同じアライアンスである。対して大韓航空はスカイチームというアライアンスに属している。統合前にアシアナ航空がスターアライアンスを脱退することが発表されている。

 しかし話はそう単純ではない。同じアライアンス内で、マイレージが共有されているのだ。たとえば、全日空にマイルを貯めている人がいるとする。同じアライアンスのアシアナ航空に乗り、そのマイルを全日空に貯めることができる。そして全日空のマイルが増えると、ステータスがあがり、優先搭乗、無料で預けることができる荷物の個数が増え、空港では無料でラウンジを使うことができるなどのさまざまなメリットを受けることができる。航空会社によっては、そのマイルで航空券を買ったり、ホテル代を払うこともできる。

 各アライアンスは、集客を増やすために、さまざまなサービスを加えてきたのだ。

 しかし異なったアライアンスに属するふたつの航空会社が統合するとなると、このサービスが足かせになった。その調整のために、統合2ヵ月前には、アシアナ航空に乗っても、同じアライアンスのほかの航空会社に加算することを停止したわけだ。

 この貯めたマイル問題は、アシアナ航空と大韓航空の間で、まだ決着がついていないようだ。統合の時点で、アシアナ航空のマイルは大韓航空のマイルになることになっているが、その割合をめぐり、韓国の公正取引委員会の審査の結論が出ていない。その割合によっては不平等感が生まれるからだ。なかなかナーバスな問題なのだ。

 たしかにマイル問題は面倒だが、運航についてはあまり変わらない気がしていた。

 しかし東京からソウル行きのアシアナ航空に乗ったとき、機内放送がいつもと違うことに気がついた。内容が変わったわけではないが、そのいいまわしが違った。大韓航空にはあまり乗らないので断言はできないが、大韓航空風の機内放送に変わったのではないかと思った。

 アシアナ航空は、離陸前、ドアの点検に機内アナウンスを使っていた。各客室乗務員が担当するドアがあり、その点検が終わると、「ナンバーワン、クリア」「ナンバーツー、クリア」といった声が機内に響いた。離陸直前だから記憶に残りやすい。ところが今回、機内ではその声が聞こえなかった。ドアの点検を大韓航空方式に変えたのではないかと思った。

 運航面でも、統合は着実に進んでいるようだった。

アシアナ航空、東京-ソウル間の機内食。ビビンバにはチューブ入りのコチュジャンがつく