Netflix人気グルメ番組『隣の国のグルメイト』8話で、歌手ソン・シギョンが松重豊を案内した平壌冷麺の店「筆洞麺屋」は、ソウルの忠武路(チュンムロ)と呼ばれるエリアにあった。
忠武路は明洞や弘大のようにガイドブックの見出しになるような街ではないが、じつは外国人旅行者にもっと認識してほしい魅力のあるエリアだ。
■Netflix『隣の国のグルメイト』に登場した冷麺店がある忠武路は、どこに行くにも便利なエリア
ソウルの忠武路は『隣の国のグルメイト』でソン・シギョンが松重豊に説明していたようにNソウルタワーのある南山(ナムサン)の北側のふもとにあり、明洞エリアと東大門エリアの中間に位置している。
旅行会社のホテルのエリア区分では明洞に含まれていることが多いので、明洞に泊まっているつもりでも、実際の住所は忠武路だったりする。たとえば、昔から日本人の利用の多い「ホテルPJ明洞(旧プンジョンホテル)」は名前に明洞が冠されているが、実際のエリアは忠武路、乙支路3街~4街だ。
知名度のある明洞のホテルではなかったとしてもがっかりすることはない。積極的に忠武路駅周辺の宿を取ろうとしている人がいたら、それは大変賢明である。
なぜなら、忠武路からは明洞も南大門市場も東大門市場も徒歩圏。生活感のあるエリアの散歩を楽しむセンスのある人なら、乙支路3街~4街はもちろん、人気の益善洞のある鍾路3街、仁寺洞も徒歩圏なのだ。
人気ドラマ『ヴィンチェンツォ』や『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』などに登場した世運商街のビルも、忠武路駅から徒歩15分ほどのところにある。
漢江の南側の江南エリア、たとえば現代百貨店やギャラリア百貨店のある狎鴎亭駅には、地下鉄3号線で10分ほど。さまざまな美容施設が集まっている江南駅へも20分弱で行ける。



■忠武路には生活感たっぷりの市場が健在
忠武路の魅力は交通の便利さだけではない。最近、外国人向け繁華街の明洞では本当の韓国を知ることができないと気づいた日本人が増えている。何度か明洞に泊まった人は次のステップとして、忠武路に宿を取ってもらいたい。
忠武路エリアには世界遺産にノミネートされるような遺跡こそないが、首都の中心部には不似合いな生活市場「イニョン市場(イニョンシジャン)」がある。十年ほど前、この市場に若い経営者を呼び込むプロジェクトがあったため、スタイリッシュな店もできたが、全体的なたたずまいは30年前と変わっていない。

