■ファンテヘジャンクッ
五郎さんが韓国の港町でありついたのは干したスケトウダラのスープ、ファンテヘジャンクッだった。ここ数年、韓国では唐辛子を多く用いたものではなく、淡白な料理がフォーカスされることが多い。平壌冷麺とファンテヘジャンクッはその双璧だろう。
韓国でスケトウダラといえば東海(日本海)エリアが有名で専門店も多いが、ソウルで食べるなら、市庁舎の裏手にある「武橋洞プゴクッチプ」か、宗廟の東側にあるその名も「ファンテヘジャンクッ」がおすすめだ。

■チャーハン
ラーメン、チャーハン、ギョウザは日本の庶民的な中華料理店の三大メニューだ。チャーハンは韓国ではポックムパプ(炒めごはん)と呼ばれ、中華屋さんにあるにはあるが、日本のチャーハンほどの存在感はない。
しかし、韓国人が『劇映画 孤独のグルメ』を観たら、日本のチャーハンに対するファンタジーが膨らむに違いない。劇中、オダギリジョー扮する店主の「チャーハンしかないよ」という投げやりなセリフは、逆に韓国人のハートをつかむだろう。

■ラーメン
ラーメンは韓国人観光客が来日目的に挙げるくらい人気の日本の食べ物だ。20年くらい前までは、テジクッパ(豚骨スープの汁かけ飯)を食べる釜山・慶尚道住民以外には「匂いが気になる」と受け入れられなかった豚骨ラーメンを、今では韓国人が競って食べるようになったのは大きな変化だ。
本作の影響で今後、訪日韓国人は魚でダシをとったラーメンを選好するようになるかもしれない。