Netflix配信人気作『おつかれさま』12話。心身ともに疲れ切ったクムミョン(IU)が済州の実家に帰ってきた。娘を心配しながらも、うれしさを隠しきれない母エスン(ムン・ソリ)と父グァンシク(パク・ヘジュン)はこれでもかとばかりに、美味しそうなものを用意し、クムミョンを元気づけようとする。
それは、「ごはん食べた?」があいさつ代わりだったり、「風邪なんて食べて治せ」と言ったりする実に韓国らしい愛情表現だった。(以下、一部ネタバレを含みます)
■Netflix『おつかれさま』でIU扮する娘クムミョンが済州に帰省したとき、両親が用意した料理は?
●うずらの卵の醤油煮(メチュリアルジャンジョリム)
妻孝行を貫いているグァンシクが殻を剥いたうずらの卵と牛すね肉とシシトウがたっぷり入った醤油煮。
『ドクタースランプ』『Missナイト&Missデイ』『サイコだけど大丈夫』などの人気ドラマにもたびたび登場した韓国の常備菜(ミッパンチャン)の代表だ。冷蔵庫の中にかならず入っていると言ってもいい。これとキムチがあれば、ごはんがいくらでも食べられるという人が少なくない。
●チョンガッキムチ(かぶら大根のキムチ)
「クムミョンは(発酵の進んだ)酸っぱいのが好きで、弟のウンミョン(カン・ユソク)は酸っぱくないのが好きなのよね。分けて漬けなきゃならないから本当にめんどうなのよ~」
と言いながら母エスンが出そうとしたのがチョンガッキムチ。ミニ大根(かぶら大根)を葉っぱごと漬けたもので、大きな大根を使うカクトゥギとは別物だ。
テーブルいっぱいの惣菜を前に、クムミョンが「(家畜の)豚でも育てる気?」 と照れ隠しで言うシーンはとても微笑ましかった。

「お昼は簡単に食べよう」と言いながらエスンが持ってきたのがピビムククス(ピビム麺)。素麺を甘辛い(日本人の舌には激辛)ソースで和えた汁なし麺で、疲れたときやストレスがたまったとき猛然と食べたくなる。インスタント食品にもなっていて、paldo社のピビムミョンは夏の人気商品だ。
韓国の麺料理は量が多いと日本人からよく言われるが、エスンが作ったのはそのイメージ通りの大盛り。おまけに茹で卵が2個も載っていた。
エスン役のムン・ソリが家族思いのオモニを演じた作品がもうひとつある。映画『愛してる、マルスンさん』(2005年)だ。1970年代末のソウル下町で奮闘するシングルマザーの物語。母マルスンの姿は『おつかれさま』のエスンと重なる落涙必至の名作なのでぜひ観てほしい。
